新卒採用にはどんな選考方法がある? 〜メジャーな選考方法、それぞれ徹底解説します。〜

新卒採用の選考方法には、書類選考や面接といったスタンダードなものから、「エントリーシート」「グループディスカッション」など新卒採用に特有のものもあります。ここでは、一般的な選考方法それぞれについて、概要と実施の流れを解説します。

各選考の目的を踏まえ、どうすれば成功するか、どのように無駄を省いて効率化できるか、といった「コツ」もご紹介しますので、ぜひ採用活動の参考にしていただければと思います。

会社説明会

会社説明会は厳密には選考(採点などして合否を出すもの)ではありませんが、合同説明会(就活イベント)や1dayインターンシップも含め、説明会は選考の一貫とも言えます。直接学生に会えることで、志望度や人となりが見え、選考の参考情報が得られることもあるからです。

概要学生を一つの会場に集めて、企業の事業内容や募集要項などを説明する。
一社のみで行う「個別会社説明会」と、
大学やイベント会場などで複数社が合同で行う「合同会社説明会(合説)」がある。
合説の出展には、数十万円〜100万円以上の料金がかかる。
目的
・学生に自社を知ってもらう
・学生に企業理解・業界理解を深めてもらう、志望度を高める
・直接会って学生の資質を見極める
実施方法会場予約や出展申し込み → スライド資料や配布物の準備
→ サイト上などで参加学生を募集 → 会場設営 → 開催
→ 参加学生へのメールなどで選考に誘導
バリエーション
・大学が開催する合説イベント
・ナビサイト運営会社や人材会社が開催する合説イベント
・グループ企業が合同で開催する会社説明会
・大学ランク別や文理別、体育会学生のみなど様々な“特化型”合説

会社説明会のコツ

会社説明会は、学生が自社について興味を持ち、理解を深め、その後の選考に意欲を持って進んでくれることが「成功」、ゴールであると言えます。ここで学生を惹きつけなければ、その後の選考に差し支えるといっても過言ではありません。

学生はまず「応募するに足る企業かどうか」を知りに来ています。仕事内容や募集要項などを詳細に説明しても他社と差別化しづらいため、社風や企業理念、自社の強みやビジョン、自社で働くとどんな成長ができるかなどのメリットを伝えると良いでしょう。

また、デジタルネイティブ世代でもある学生は口コミサイトでも情報収集するため、社員の「生の声」を伝えることも動機付けとして有効です。ぜひ、人事担当以外の社員にも参加してもらいましょう。

<成功するコツ>

  • 事業や仕事の詳細な内容より、自社の強みや魅力、会社全体の理念やビジョンを伝える。
  • WEB上にない情報を伝え、スライド資料は情報量を多く作成して配布し、持ち帰らせる。
  • 自社社員の登壇や座談会で、働く人の魅力・生の声・社風を伝える。

<効率化のコツ>

  • WEB説明会や動画説明会を活用し、地方在住や多忙な学生に対応しつつ、工数を削減する。
  • 会社説明会の前に簡単な選考を課し、能力や志望度で人数を絞ってから開催する。

【実は…】会社説明会は“必須”ではない

「会社説明会」は、新卒採用をする上で必須だと思い込んでしまってはいないでしょうか?

実は、会社説明会はその目的に照らせば「やらなくてもいい」と言えます。採用したい学生に、自社の魅力を伝えて選考に呼び込むことができれば良いので、個人面談でも、資料のデータを送って見てもらうだけでも良いのです。

会社説明会には、会場費、旅費、イベント出展料などの経費と、準備から開催までの工数、当日の天候不良等によるキャンセルのリスクなど、さまざまな負担がかかります。その負担に見合った効果を得られているか、自社にとって最適な形が会社説明会なのか、という点は一度、見直しても良いかもしれません。

エントリーシート選考

概要
一般的な履歴書とは別に、学生の自己アピールや大学時代に注力したこと、
応募先企業への志望理由などを各200〜600字程度で記述した書面をエントリーシートと呼び、
その内容をもって選考する。面接に進む前に、一次選考で課されることが多い。
目的・求める人材と思われる学生のみ通し面接対応できる人数に絞り込む
・文章から地頭やコミュニケーション力など基礎的な力を測る
・その後の面接で深掘りするための材料とする
実施方法サイト上や直接のメールなどで課題内容(設問と文字数)を指定
→ 学生からエントリーシートが届く → 採用担当者が読む
→ 内容から文章力や企業理解を測り採点する → 合否を連絡する
バリエーション
・リクナビが提供する「OpenES」など、どの企業にも提出できるよう汎用性を持たせたエントリーシート
・履歴書の志望理由・自己PR欄を使用する

エントリーシート選考のコツ

エントリーシート選考では、

  • 内容(自社の求める資質やスキルを持った人材かどうか)
  • 内容以外(読みやすく伝わりやすい文章が書けるかどうか)

の両方を見るのが一般的です。

しかし、大量のエントリーシートを読んでいると、それだけで丸一日が過ぎてしまいそう…という採用担当者の方も多いのではないでしょうか。また、採用担当者が二人以上いる場合、全員が全てのエントリーシートを読むか、手分けして読むかも迷うことがあると思います。

おすすめは、採点基準を明確にして担当者間で認識を揃えた上で、手分けして採点することです。

エントリーシートは最初の選考であることが多く、いわば「足切り」の段階です。また、文章のみの提出なので、作成に何日もかけた学生や、1時間で書いた学生もいれば、他人に代筆されている可能性もあります。ここで過剰に丁寧な選考をするより、「この学生に面接の時間を割く価値がありそうかどうか」という視点のみで、手早く選考しましょう。

<成功するコツ>

  • 面接対応ができそうな人数を割り出し、その人数までスクリーニング(足切り)をする。
  • 読みやすい文章が書ける学生は地頭が良い可能性が高い。

<効率化のコツ>

  • 採点基準を明確にして採用担当者間で共有し、手分けして採点する

【実は…】全てをじっくり読む必要はない 〜AI選考のすヽめ〜

最近では、AIを活用したエントリーシート選考のツールが出てきました。

AIが選考するとアレルギー反応を示す方もまだまだいらっしゃいますが、その精度は高く、かつ「人間にしか分からない部分」があることを踏まえた設計となっており、注目は高まっています。

概要としては、過去の選考結果などを元にして、優先度が高いエントリーシートを提案してくれるものが主流です。

AIが合否を出してしまうのではなく、まず合格する可能性の高そうなものを自動で振り分けてくれます。あとは採用担当が実際に読んだ上で、その中から十分な数の合格者が出れば、それ以外の優先度の低いエントリーシートまで全て目を通す必要はないということです。

選考の効率化は、本当に採用したい学生へのフォローにリソースを使うための近道です。エントリーシート選考に時間を取られている方は、一度試してみてはいかがでしょうか?

適性検査

概要学力と性格をテストによって測定し、長所や留意すべき点を可視化する。
検査の種類は多く、学力に特化したものや、性格面に特化したもの、面接でしたほうがよい質問を提案するテストもある。
一般的に受験料は企業負担、1人あたり5,000円程度。受験形式は、紙/WEB/テストセンター(各地にある専用受験施設)。
目的・基礎的な学力(計算や国語)を見る
・選考で感じたパーソナリティと科学的な診断結果にズレがないか見る
・自社の優秀社員に似た資質や相乗効果を生む資質を持つ人材を見つける
・面接で強み・弱みを確認する質問の参考にする
実施方法適性検査販売会社に利用を申し込む→ 学生が受験する → 採点結果が納品される (→ 合否)
バリエーション
有名な検査では「SPI3(エスピーアイ)」があり、性格面と基礎的な学力の両方を測定できます。各社から多種の検査が販売されています。

適性検査のコツ

適性検査は、「足切り」に使おうと思って選考の初期に利用すると、非常にコストがかかります。選考を通過するかどうかもわからない人材も含め、まだ母集団に近い段階の人数に対して、一人あたり数千円の受験料を企業が負担するからです。

また、詳細は次項で解説しますが「データの読み解き方」や「適性検査の仕組み」という基礎的なところを理解していないと、検査結果を見ても「ふ〜ん」と参考にできず終わるか、「点数が高ければ高いほど優秀な人材なんだ」と誤った解釈をしてしまうところも難しいポイントです。

<成功するコツ>

  • 1次選考や2次選考を通過した学生にのみ受験させることで、コストを抑える
  • データの活用法についての基礎を学び、面接官全員に共有する

(適性検査の販売会社が無料セミナーを開催している場合も多くあります。)

  • 入社後の経過を毎年測定したり、自社の社員にも受験させて、「入社後に定着・活躍する人材はどのような適性検査結果だったか」を選考に活かす(活躍人材と似た学生を採用する)
  • 人材タイプ別のグルーピングや四象限を利用し、組織のバランスがとれるよう採用する

<効率化のコツ>

  • 適性検査の結果を活用し、自社で活躍する人材まで分析できるサービスを利用する

【実は…】適性検査はデータを分析してこそ活用できる

適性検査の結果は、あまり活用できていない企業も多いように思います。

なんとなく受けさせるもの、とは思っていても、例えば「主体性」という項目の点数は高ければ高いほど良いのだと思ってしまったり、総合点のようなもので高い順に並べ替えたりと、「データを取り扱う」ということの正しい方法が分からないと、あまり意味がありません。AI選考には抵抗があるのに、適性検査の「人間力」「リーダー適性」のような曖昧な数値は意外とすんなり受け入れてしまう人もいるのではないでしょうか。

また、学力検査を受けさせても、おそらくは大学ランクから予測できる成績とそう乖離しないでしょう。

重要なのは、「目的」です。何のためにその適性検査を受験させるのか。見たいポイントはどこか。その“点数”や“偏差値”は、本当に高ければ高いほど自社にとって有益な人材を表すのか。

性格や能力といった目に見えないものを、統計学などの仕組みで科学的に数値化するのが「適性検査」です。今一度、データの取り扱いには慎重になる必要があります。

グループディスカッション(グループワーク)

概要
学生を数人(3人〜8人くらいまで)のグループで選考し、課題や問いを与えてディスカッションやワークをさせ、
他の学生とのコミュニケーションの様子などから選考する
目的
・コミュニケーション能力を見る
・問いを立てたり課題を解決するための姿勢を見る
・チーム内での立ち位置を見る
・1次選考〜2次選考の段階で多くの学生を効率的に選考し、採用基準に足りるかを見る
実施方法
会議室などに集めた学生グループに課題を出す → 自由に議論させる
→ グループでまとめた答えや成果物を発表させる
→ 他学生とのコミュニケーションやアウトプットを見て採点
→ 合否を連絡する
バリエーション

ディスカッションした結論を発表させるものや、何かを作り上げるワーク、ゲーム形式などもある。
また、グループで選考するが内容は面接形式で学生と面接官の質疑応答である「グループ面接」もある。

グループディスカッション(グループワーク)のコツ

グループディスカッションでは、一般的に「コミュニケーション能力」や「リーダーシップ」を見る、などとも言われます。しかし実際のところ、短時間のワークの中で本当のコミュニケーション能力やリーダー適性までは分からないと思います。

大きな声や細やかな気遣いでその場を仕切ることが「リーダーシップ」なのか、司会をやりたがる学生や、全員に発言させようと促す学生が本当にリーダーに向いているのか、数十分のワークでは見極められないものです。

ここでは、まだ個人面接も行っていない段階の学生をより多く、短時間で効率的に見極めていくということに重点を置きながら、面接では見えない部分が垣間見えたらラッキー、くらいで良いかと思います。

<成功するコツ>

  • 面接官の目が届く人数の上限と、次の選考に通したい合格ラインを鑑みて、なるべく多くの学生を一度に選考できるよう、人数・回数・時間設定をする。
  • 誰もがフラットに議論できるようなテーマ、絶対的な答えのないテーマを用意する

(一部の学生だけが当事者になってしまうテーマは、情報量に差が出て発言量も偏ります。また、テーマはネット上などに流出する恐れもあるため、後半の学生が有利になってしまうような「答えがある程度決まっている議論」にするのも避けたほうが良いでしょう。)

<効率化のコツ>

  • 自社の事業理解をしていないと議論できないようなテーマにして、学生の志望度も見る(初期の選考ですでに事業を深く理解している学生は、志望度も高いと思われます)

【実は…】学生には“GDマニュアル”が浸透している

学生は、次の選考が「グループディスカッション」だと知らされるやいなや、ネットで検索したり先輩に聞いたりして、「グループディスカッションに合格するコツ」の情報収集をします。

コツを紹介しているWEBサイトや書籍などはたくさんあり、「聞き役になる」「待合室にいるときから中心的存在になっておく」「司会役を先に奪われたら、タイムキーパーか書記を買って出る」など様々な「GD(グループディスカッション)マニュアル」があるのです。

こうした「コツ」に基づいて振る舞う学生は非常に多く、演技のようなその姿から実際の「コミュニケーション能力」や「リーダー適性」はやはり見えにくいものになっています。

グループディスカッションでの振る舞いはある程度「型」があるのだということを踏まえた上で、あまりその姿だけを間に受けすぎずに、ひとまずは大人数を一斉に捌いていくための「合格ライン」を見ることに集中するのが良いかと思います。

もし、とても良い振る舞いや印象的な学生を見つけた場合は、ぜひ次の選考で、「あのとき〇〇なことをしていたけれど、そうするようになったきっかけなどはありますか?」と深掘り質問の材料にしましょう。

個人面接

概要学生個人と面接官(1人〜3人くらい)が面接する。
主に面接官からの質問の時間だが、学生から質問できる場でもある。
目的・志望動機や入社意思を深掘りする
・エントリーシート・履歴書の内容で気になった部分を深掘りする
・学生の質問からも志望度や理解度を見る
実施方法多くの場合30分〜60分程度、会議室等の個室で面接する
バリエーション
採用担当者や現場の中堅社員のみのこともあれば、
人事の責任者が面接することもある。
最近は遠方の学生や企業のためにWEB面接も普及しはじめている。

個人面接のコツ

個人面接では、企業側が学生について深掘りすることはもちろんですが、学生が企業を知るための「相互理解」の場とすることが非常に重要です。

学生に大学時代のことを根掘り葉掘り聞いたり、志望動機がどれくらい強いかを確かめようとする面接官の方も多いと思いますが、そのことによって学生が「圧迫面接を受けた」「値踏みされているようだった」と感じるケースもしばしばあります。

採用は、自社が良いと思った学生に合格を出すだけでは成功しません。合格を出した学生が自社に入社の意思を固め、さらには入社後もきちんと成果を出せる人材になってこそ、その採用は成功したと言えます。

<成功するコツ>

  • 面接官は、役職や人事歴よりも「質問スキル」で選ぶ

(学生の良いところを引き出す「良い質問」ができる面接官は、選考だけでなくその後の学生の動機付けや入社後のフォローにも貢献します。)

  • 学生からの質問の時間は5分ではなく10分以上設ける、または随時キャッチボールの中で受け付ける

(最後の5分程度で「何か質問はありますか」と聞く企業もありますが、それでは「福利厚生は」とか「研修は」といった、浅い質問と回答のみで終わってしまいます。また面接官の質問時間も長すぎることになり、最後は質問することがなくなって無駄話になってしまうことも…。学生の質問には長めに時間を取り、「働きがいは何ですか?」などの込み入った質問を受けたり、「なぜそのことが気になったか」「この答えを聞いてどう思うか」と更なる会話ができれば、相互理解はぐっと深まるでしょう。)

<効率化のコツ>

  • 面接官用の資料(履歴書や採点シートなど)はなるべくペーパーレス化し、配布・チェックや集計にかかる工数を削減する。
  • 採用基準を明確化し、面接官を担当する社員に共有しておく。

(採用基準を満たさない学生に合格を出したり、逆に採用基準を満たしている学生を見落として不合格にしてしまうというリスクになります。)

  • 当日キャンセルや変更などが煩雑な日程調整は、なるべくExcelなどの手作業で管理せずに日程管理ツールを使う

(専用の選考管理ツールもあれば、各種採用サービスに搭載され無料で利用できることも)

【実は…】「サークル活動」について聞くのは、お見合いの「ご趣味は?」と同じ

突然ですが、採用活動そして面接は「お見合い」だと思います。初対面に近い企業と学生が、「この学生を採用しても良いだろうか」「この企業に入社しても良いだろうか」と思いながら向き合い、お互いのことをより深く知って判断しようとする場だからです。

よく、学生は「サークルとか留学みたいな“ガクチカ”(学生時代に力を入れていたこと)なんてない…」と言っていたり、一方で企業は「学生はみんな“副部長”やら“会計係”やらの肩書きを持っていて、信用ならない」と言っていたりしますよね。

そもそも、なぜ「サークル活動」や「留学経験」が当たり前のように就職活動の場で問われ、学生もそれに合わせて、語れる“ガクチカ”を作るための大学時代を過ごすようになってしまったのでしょうか。サークル活動に注力してこなかった学生は、コミュニケーション能力に乏しかったり、リーダーシップが取れなかったり、優秀ではないのでしょうか?…決してそうではないことを、人事の方ならご存知だと思います。

もともとは、サークルや留学について聞くのは、お見合いで「ご趣味は?」と聞くのと同じことだったのではないかと考えられます。

「ご趣味は?」の答えそれ自体は、実は何でも良いですよね。「釣り」が趣味の人はいやだ、というのであれば、会う前に仲人さんに聞いておいて、事前に断れば良いだけです。「ご趣味は?」と聞くのは、相手のことを知りたい、けれども初対面で共通の話題がない、というときに会話のきっかけとして聞く質問です。

それは面接でも同じで、学生のことを知りたい面接官が、しかし限られた時間の中で質問するとしたら、学生に広く共通の話題と思われる「サークル活動はやってましたか?」になるのは、ごく自然なことだと思われます。

しかしそれが、「面接ではサークル活動について聞かれるらしい」「企業はサークル活動に注力した学生を評価するらしい」という噂になって広まり、学生は「就活で話すための課外活動」を探すようになってしまいました。

企業側も、「面接官マニュアル」にとらわれたような典型的な質問ばかりするのではなく、一人一人の学生と向き合って、「良い部分を引き出す質問」をすることが大切だと思います。

そして学生にも、マニュアル通りではない大学時代を自由に有意義に過ごしていただき、良い表情で面接に来ていただきたいものですね。

最終面接

概要学生個人と面接官(主に社長や役員など1人〜3人くらい)が面接する。
最終面接は、ほとんど合格が見込まれている学生のみの場合もあれば、
一握りしか合格しないような場合もある。
目的・採用担当が内定を出しても良いレベルと判断した学生に経営層などが
 面接し、最終的にな内定可否の判断を下す
・社風に合うかどうかや、将来の経営戦略に照らして必要な人材かどうかを見る
・内定を出すことがほぼ確定しているような高評価の学生に対し、経営層との対話で自社への入社意欲を高めてもらう目的もある。
実施方法10分〜60分程度、会議室等の個室で面接する
バリエーション
特になし

最終面接のコツ

最終選考では、合否は面接官(主に経営層)に委ねられ、採用担当者の手を離れていきます。採用担当は、本当に欲しい人材にぜひとも内定を出してもらうための工夫や、全体のバランスを見た人選など、少し嫌な言い方かもしれませんが「影から選考コントロールする」ことになります。

<成功するコツ>

  • これまでの選考における点数などを最終面接の面接官に開示する場合は、見せ方を工夫する

(ぜひとも内定を出したい学生がいるが、点数だけで見ると他の学生よりも低い…といった場合には、「採用担当推薦」といったマークをつけるなどの工夫を。とくに面接における採点や適性検査の結果は、1点でも高ければ高い方が優秀であるというような絶対的な数値ではないため、途中の過程を知らない人物に開示するときには、見せ方に注意しましょう。)

  • 面接前に、学生にはこれから経営層に会ってもらうことを丁寧に伝える

(学生は、次が最終面接なのかどうかもよくわかっていないことがあります。「次は最終面接で、人事担当役員と社長が面接します」と伝えておく方が、学生も気を引き締めて来てくれるでしょう。また、学生は、会社役員に対してどのようなマナーが必要かということもあまり知りません。「クールビズでもネクタイだけはしてほしい」「緊張するかもしれないけど、怖い人じゃないから自然体で話してね」など、学生が面接で余計な不安を持ってしまわないよう、事前にフォローしましょう。稀に、あまりに緊張しすぎて泣いてしまう学生も…。)

【実は…】役員“全員”が面接するのは逆効果

会社の役員全員が直々に最終面接をしてくれる、という企業もありますが、あまりおすすめできません。

「役員全員で面接すれば、学生も丁重に扱われていると感じるだろう」「役員全員が満場一致で良いと言った学生はさぞ優秀だろう」と、さまざまな意図があるかと思いますが、実は逆効果になりかねないからです。

学生は、会社役員のような高い立場にある人物とあまり接したことがなく、ただでさえ緊張してしまいます。全員が学生一人と向き合えば「圧迫面接だ」とも思われかねませんので、人数や場の雰囲気には気をつけた方が良いでしょう。

また、「役員全員が良いと言った学生は優秀なはずだ」という考え方も危険です。全員の評価が完全に一致するということは、ほぼありえないからです。大抵の場合、誰かが「合格」と言う人材は、別の誰かが「不合格」と言うなど、不一致が起こります(逆に、全員の評価が完全に一致するのであれば、誰か一人が面接すれば事足りるとも言えます)。

そして往々にして、「誰にも“NO”と言われない人材は、誰にも“YES”と言われない人材」なのです。全員のコンセンサスをとって合格者を決めるのは、いわば「消去法」です。「不合格にする理由がなかった人を合格にする」という、なんとも情けない採用になってしまうのです。

もちろん「採用基準のすり合わせ」は必要ですが、短い面接時間の中で人の全てを知ることはできませんし、人それぞれ見ているポイントも価値観も異なります。企業活動に必須である「顧客」も同様に、多様な価値観をもつ人の集まりです。多様性(ダイバーシティ)が企業の強みとなる理由はそこにあり、また、消去法の採用では多様性は生まれません。

役員の誰か一人でも「絶対に採用したい!」と言う学生がいるなら、採用する価値があると思います。少なくとも、「誰も採用したいと言わなかったけれど、採用したくないとも言われなかった」人材より、魅力的な人材である気がしませんか?

新卒採用の選考方法を「ゼロから」考えてみませんか?

ここまで、新卒採用における一般的な選考方法とそのコツをご紹介してきました。

あなたの会社の新卒採用は、この選考方法をだいたいその通りに実行しているでしょうか?それとも、オリジナルの工程を計画し、毎年PDCAを回したりしているでしょうか。

前者の企業の方には、ぜひ一度立ち止まって、「この選考は必要か?」「目的やコストに照らして、効果を上げげられているか?」「このやり方が最善か?」を考えていただきたいです。

新卒採用業務は毎年行われるルーティン業務であり、また、新入社員のフォローと、次の年の選考と、その次の年の夏インターンシップと…と重複して怒涛のようにやってきます。採用担当者が異動などで入れ替わることも多く、なかなかPDCAを回して改善するところにまで手をつけられない方も多いかもしれません。

しかし、新卒採用は企業の10年先・20年先も左右する重要なミッションです。いきなり多くを変えられなくても、まずは机上の空論でも構わないので、自社に最適な選考方法を「ゼロから」考えてみてはいかがでしょうか

米田 彩香

新卒で入社した前職の老舗中小企業にて人事・採用を5年間担当。紋切り型の就活スタイルに疑問を持ち、OfferBoxの理念に共感したため2019年3月に株式会社i-plug入社、インサイドセールスチームに所属。夢は子供が独立したあとに学生街で食堂を開くこと。