【新卒採用人事向け】良い人材獲得のための選考基準とは?

新卒採用において、採用担当者の方は内定を出す学生の質にバラつきがでないように選考基準を持って選考を行われることが多いと思います。

しかし、初めての新卒採用を行う際は、どのような選考基準を持って選考を進めるべきか悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。

企業のこれからを担うことになる新卒採用を成功させるため、今回は新卒採用における選考基準について解説します。

選考基準を設ける理由

選考基準を設けるべき理由は「異なる担当者で選考結果に違いを生まないため」「人事と現場の求める人材のズレをなくすため」「より適切な採用広報を行うため」「オーバースペックな人材を採用しないため」この4点が挙げられます。

理由①「異なる担当者で選考結果に違いを生まないため」

まず1つは、「異なる担当者で選考結果に違いを生まないため」です。

採用活動を行う上で、その担当者の価値観や経験が多少なりとも影響してしまうのは避けられません。その際、一定基準をもとに判断をすると担当者の違いによって大きく選考結果が変わるのを防ぐことができます。

例を挙げると、明るく元気な学生に好印象を抱く面接官Aと、論理的思考傾向の学生を評価する面接官Bの2人が担当した面接があるとします。

選考基準がなければ、それぞれの面接官の価値観に基づいて判断するしかありませんが、基準があることで「その基準を満たしているか否か」で判断することができ、選考結果に面接官の価値観が影響するのを防ぐことができます。

理由②「人事と現場の求める人材のズレをなくすため」

必ずしも現場社員が選考に携われるとは限らない状況では、現場社員が求める学生を、人事が採用することになります。

その際に起こりうる問題としては「人事が考える自社に必要な人材と実際の現場が欲しい人材が異なる」ということです。

現場が必要としている人材とは異なる学生を採用すると、結果として職場に馴染めなかったり、戦力化に時間がかかったりとミスマッチの原因になります。

現場が欲しい学生像を把握し選考基準を設定することで、一定基準に基づいた判断ができ、現場の要求と大きくズレることなく選考を行うことができます。

理由③「より適切な採用計画を行うため」

3つ目の理由としては、「より適切な採用計画を行うため」です。

選考基準を定め、「こんな学生に来て欲しい」という目標ができることでターゲット学生が明確になります。

明確になったターゲット学生像をもとに、獲得に必要な採用広報の施策などを検討することで実際にリーチする学生の質のムラを防げるように。一定の基準なく採用広報を行うと、実は自社が求めていない学生に対しアプローチすることになるかもしれません。

例えば、理系の学生を求めているのに学生のほとんどが文系のイベントに参加したりという効率が悪い採用広報を行ってしまう可能性もあります。

より効率的な採用広報を行うターゲットを定める上で選考基準を設定することは重要です。

理由④「オーバースペックな人材を採用しないため」

4つ目として、採用した学生が自社にとってオーバースペックであることを防ぐためにも選考基準の設定が必要です。

自社の選考を受ける学生の質は千差万別で中には倍率が高い選考でもトップレベルに入るような人材もいるでしょう。

そのような人材が入社した場合に、その適性や能力を存分に発揮してもらう環境が整っていれば問題はありませんが、自社では手持ち無沙汰になってしまうような学生を採用することは早期離職の原因になり得ます。

選考基準があることで、選考基準を超えて求める人材として完璧すぎる学生を採用することなく、互いにとっての機会損失を防ぐことができます。

選考基準設定の3ステップ

ステップ① 社内ヒアリングから採用したい人物像を明確にする

求める学生像を適切に設定するには、新入社員が配属される可能性がある部署に直接求める学生像をヒアリングすると良いでしょう。

昨年はコミュニケーション能力が高く協調性がある営業向きの学生を採用したかったが、今年は分析力があるマーケティングに向いてそうな学生が欲しいなど、採用計画は毎年変化するものです。

現場が求める学生像をもとに選考基準を設定し採用することで、採用担当者と現場との間で求める学生像の齟齬をなくし、ミスマッチ防止に繋げることができます。

ステップ② モデル社員からコンピテンシーを把握する

コンピテンシーとは、社内で高いパフォーマンスを維持する社員に共通している行動特性のことです。

コンピテンシーを参考にして採用基準を設定する場合、何かのスコアや大学の偏差値などの数値だけでなく、入社後のパフォーマンスの伸びを最大化するための、学生の性格や適性、経験やスキル、能力など様々な要因を考慮しなければなりません。

コンピテンシー ステップ 1) 社内のハイパフォーマーを分析し定義する

常に営業成績がトップクラスの社員やタスク処理に優れている社員など、社内において質の高いパフォーマーを観察します。場合によっては直接ヒアリングするのもいいでしょう。

そして、その社員がなぜハイパフォーマーであるか分析します。コンピテンシーは具体的な行動を指すのではなく、ハイパフォーマンスに繋がる意思決定のことです。

つまり、コンピテンシーはどのように物事を捉え実際に行動し、結果を残したかという中の「どのように物事を捉えたか」の部分です。

タスク処理に優れた社員の場合だと、まずタスク全体を把握し、細かく時間を設定することでタスクを効率よくこなしており、それがハイパフォーマンスに繋がっていると分析できれば、「タスク全体を把握し、それぞれに時間を設定できる「状況把握力」や「計画力」がコンピテンシー(行動特性)だとわかります。

このように部署や職種のハイパフォーマーを分析し定義します。

コンピテンシー ステップ 2) 分析したコンピテンシーを実際のアクションに発展させる

ステップ 1)で分析した項目(「状況把握力」「計画力」など)を備えた人材はどんな行動をとるのかを考えます。例えば、状況把握力を備えた人材は、「冷静な意思決定」や「客観視できる」が実際の行動だとわかります。

「計画力」に優れた人材であれば、「優先付け」「現状の分析」が得意だと判断できます。このようにコンピテンシーと具体的なアクションを紐づけます。

そして、面接の際に学生に特定の状況において、どのように考え対処するか、もしくは学生自身の体験談を聞くことで求める人材の行動傾向や特性と共通してるかどうかを見極めることができます。

コンピテンシーに関しては、会社で活躍している社員によっても全く異なり、自社独自の採用項目を設定するのに役に立ちます。

また、これをより効率よく行うには選考過程で学生に適性検査(能力診断)テストを受験してもらい、同じものをハイパフォーマーが受験することで共通項を見出すことができます。同様に社内の人に適正検査を受けてもらい全社的なコンピテンシーの把握・採用人物像の洗い出しにも使えます。

ステップ③ コンピテンシーをより精錬化させる

2018年、経団連が発表した新卒採用調査では次の5つの項目が選考時の評価として重視されるようです。一般的な企業の評価項目と自社のコンピテンシーから分析した評価項目を比較することで、自社理解が深まり、より採用したい人物像へのアプローチを差別化することができます。

コミニュケーション能力

コミュニケーション能力とは単なる言葉のキャッチボールが適切にできるかというだけではなく、自分の伝えたいことが正しく相手に伝えられるか、また相手の伝えようとしていることをきちんと理解できているが大切です。

相手が不明な点を異なる言い方をして伝えてみたり、説明の手順を変えてみたり、相手の考えが理解できなかった時にもう一度説明をお願いするという臨機応変さも含まれています。

意思疎通を通して、相手との関係を築く能力との言い換えることができます。

主体性

こちらは、どう物事に取り組むかに関して大切にされる項目です。

自分の現状を把握し、分析しそこからアクションを起こし結果を出すまでの過程において自分から進んで取り組むことを表します。主体的であるかどうかは、日頃のパフォーマンスにも直結します。

学生時代にどのようなことに主体的に取り組んで何を得たのかという質問をすると学生の主体性が推し量れるかもしれません。

チャレンジ精神

チャレンジ精神がある人は仕事に対しての熱量が多いです。その熱量は周囲の人間も巻き込み会社によい影響をもたらします。

逆にチャレンジ精神のない人は会社にとって利益になることは難しく感じます。また、チャレンジ精神があるかどうかはいかに失敗から立ち直すか、難解な課題に挑めるかなどストレス耐性を見極めることができます。

協調性

周囲の人と協力なしに仕事を遂行することは困難です。周囲の協力に感謝し自分の仕事に向き合っているか、周囲の状況を把握して自分に何ができるかを考える能力も、協調性があると判断する上で大切です。

また、周囲から応援されるような人物であるかも、協調性を見極めるポイントです。

誠実性

誠実性は信頼と強く結びついています。

仕事に対して、社員に対して、顧客に対して誠実であることは、信頼を得るのに欠かせません。

失敗を素直に受け入れて次のアクションを起こせるかどうか、社員や顧客の成功のために行動することも誠実であることに挙げられます。また、昨今メディアで法令遵守に関して頻繁に取り上げられている点に関しても、誠実性が重要であることが伺えます。

以上の5つの項目を参考にして、ヒアリングした人物像と分析したモデル社員のコンピテンシーから具体的な項目で選考基準を設定していきましょう。

新卒採用選考では、採用担当者によって選考結果にバラつきがないように、選考基準はどの社員にとっても明確で判断しやすい必要があります。

コンピテンシー以外で確認しておきたい選考基準

新卒採用面接は学生と企業の認識のズレを軽減させ、相互理解を行った上で学生の適切な意思決定を援助する場でもあります。面接をする上でコンピテンシー以外で確認しておきたいことをいくつがご紹介します。

1. 企業のことをどこまで理解しているか

主に企業がどのような事業を行っているか、事業目的をどこまで理解しているかを確認するためのものです。

企業の理解度を学生に聞くと、同時にどれくらい本気で働きたいと考えているか熱量も測れます。

採用選考に望む本気度が高い学生であれば、企業理解度の質問をすると熱量を持って語ることができるでしょう。一方で、本気度が低い学生に企業理解度の質問をすると、回答の質と量に違いが見られます。

また、入社後の業務について質問をするのもおすすめです。面接の場で質問することで、「実際に入社してみたらイメージと違う仕事であった」といったミスマッチを事前に防ぐことができます。

2. 経営理念やビジョンへの共感度

経営理念やビジョンへの共感はとても大切です。

仕事をしていると常に前進できるわけではありません。時には自分の業績が振るわなかったり、取引先とのトラブルが発生したりと立ち止まることもあります。

仕事が上手くいかないとき、会社の理念やビジョンに共感ができていると、それが軌道修正をする道しるべになる場合があります。

会社が成長していくため、理念やビジョンに共感していることは足並みを揃え前進する上で欠かせないことです。

採用選考時、学生の志望動機を深掘りしてみて、理念やビジョンに共感度を確認してみましょう。

最後に

今回は、新卒採用を成功させるための選考基準の設定についてお伝えしました。

選考基準を設ける理由は、「異なる担当者で選考結果に違いを生まないため」「人事と現場の求める人材のズレをなくすため」「より適切な採用広報を行うため」「オーバースペックな人材を採用しないため」の4つを挙げました。

選考基準の設定には、社内ヒアリングから採用したい人物像を明確にすることから始まり、モデル社員からコンピテンシーを把握し、精錬化することが重要でした。

また、企業への関心や理解も自社にとって良い人材獲得のための選考基準として必要です。

本文で取り上げた以下のポイントを整理しつつ、少しでも参考にして頂いて新卒採用を成功させましょう!

人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部