初めて新卒採用を担当する方は必見!人事を悩ませる採用現場の課題と裏側【元担当者への突撃インタビュー】

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とりわけ新卒採用担当になったばかりの新任の人事さんも採用の現状に直面しながらお悩みをお持ちだと思います。

今回は、『人事ZINE 編集部』が新卒採用経験のある人事の方にインタビューをさせていただき、過去を振り返りながら新卒採用担当者ならではの悩みやこれからの課題、採用現場のリアルについてたっぷりと語っていただきました。

「新卒採用担当をやっているとこういうこともあるよ!」といった苦労・苦悩のシーンからちょっと笑えるエピソードまで、時には真剣に新卒採用現場における課題を、そして最後にはこれから新卒採用を初めて担当する方々へのメッセージもあります!

また新卒採用担当を経験されている方であれば「それあるある~」と共感して頂けるポイントも多々見つかるのではないかと思います。

それではどうぞ!

新卒の採用人員の課題!スケジュールに押されても妥協はしません!

人事ZINE編集部:どうぞ宜しくお願いします。

採用担当経験者:宜しくお願いします!!

——本日は採用現場の課題にとどまらず「見えてないところでこんな苦労もあるのよ・・・」というところもお話いただければと思います。

じゃあ、説明会当日に雨が降って出席率が半分になっちゃったとかいう話でも大丈夫ですか?

——いきなり採用現場のリアルなお話ですね!

具体的なエピソードとしてはちょっと笑える話ですが、要は「そう簡単にスケジュール通りにはいかないことを想定しておく」ということです。

ひとまず雨か、雪か、はたまた天候以外の原因かというところは置いておいて、仮に「100人来場してもらう予定が、当日になって半分の50人になってしまう」と、そのあとの選考フローを当初の予定通りに進めるわけにはいかないですよね。

特に説明会なんかは、自社を知ってもらったり、興味を持つきっかけとなる、母集団形成の大事な入り口付近なので、ここで起こった思いも寄らない事態に対処できないと採用計画全体にも影響が出てしまいます。

——ちなみに採用スケジュール通りに進まないことってよくあることなんでしょうか?

基本的にはすんなりとスケジュール通りに進むことは期待していません。むしろ毎年「スケジュール通りに進んだらラッキー♪」くらいの気持ちでいました。

ただ「想定外の事態が起こること」は想定内なので、そこを踏まえた上で最初にベースとなる計画を立てていますし、バタバタすることも覚悟しています。

——同じバタバタでも採用活動の後半はさらに忙しくなるのでは…?

その年にもよりますが、「急に辞退が出てまだ〇人足りない!」みたいなことになると、かなり忙しくなります。予定では終わってるはずの採用活動を続けないといけなくなったりとか。

「人が集まらない」のは最初の戦略立案にも課題があるのですが、計画の後半になるとそんなことも言っていられず「あと何人必要…でも時期的にキツイのでは…」とかなり焦ります。

——その年の採用人数は絶対に達成されなければならないものなんでしょうか?

企業によるかと思いますが、最初にしっかりと計画した上で導き出した必要な採用人数なので、基本的には達成するべきところです。

「今年はかなり優秀な人材が来てくれたし、人数はそこまで追いかけなくてもいいか~」という場合もありますし、一方で、ポジションによっては多少採用基準を緩めてでも人数が必要となる場合もあります。

——採用人数がどうしても足りない場合、設定した採用基準に妥協することに関しては問題ない、というか仕方ないことなんでしょうか?

足りていないポジションに絞って、「ここで活躍できる人材に最低限必要なのはこの要素」とか「ここは入社してからでも育成できる部分」といった感じで、ターゲットを再設定することはあります。

ですので、妥協と言うと少し語弊がありますね。

学生にはお客様ばりに気を遣う!新卒ならではのコミュニケーション問題に苦戦・・・

人事ZINE編集部:続いては学生とのやりとりでのお悩みについて教えてください。困ったところや苦戦した場面などはありましたか?

採用担当経験者:苦戦というわけではないのですが、学生に気を遣ったりとか緊張する場面はよくありました。

特に、内定を受けるか受けないかという結果を聞くときはドキドキものです!

私は、今は営業担当をやっていますが、「自社のサービスの良さを対話に対話を重ねて説明して、商談を繰り返して、最後の最後で受注するかしないか」という場面の緊張感と通じ合うものがあります。

——では、「辞退します」と言われた時のショックも相当なものでは?

そうですね。今までずっと話を聞いてくれてて、一緒に頑張って選考を進めてきた学生が「他の会社が決まったのでそっちに行きます」というのを聞くと、まずはショックを受けます。

ショックを受けつつ一旦受け止めて、「なぜ選んでもらえなかったか」「どういうところが気になって辞退するのか」をお聞きして、内容によっては「そういうことならうちでも解決できるよ!!」と引き留めることもありました。

——ホントに営業みたいですね!学生側の断りにくさや、辞退の仕方に困惑する雰囲気を感じたりしたことは?

なかなか連絡をもらえないこともありますね。

あっ、これは新卒の学生ならではなんですが、電話越しで話し方が急に棒読み調になることがあります!!「御社を選ばなかった理由としましては、、、では失礼いたします。」みたいな感じです。

——何かを読んでいる感じ・・・

「内定辞退のマナーと電話での伝え方!」みたいな無難なテンプレートですかね。「えー!!これまで顔も合わせてあんなに一緒に喋ったじゃん…」とこれまたショック。

あと「急に親がダメって言ってます」とか「急に実家に帰ることになりました」とか、不自然な辞退理由がいきなり飛び出してくるのも、就業経験のない新卒学生らしさが出ててある意味新鮮ですね。

新卒採用現場における一番の課題は「社内での情報共有」:上層部を含めたチームでの採用活動が成功への道

人事ZINE編集部:新卒採用における人事経験の中で一番悩ましかった部分はどこですか?

採用担当経験者:最終面接を行う「上司の採用基準と自分の基準が違っていた」ところです。

志望度も高く、説明会からこれまでの選考を通して自分が見守ってきた学生が、最終面接でスパッと不合格になるとやはりショックです。

その上司に「なぜですか?」と聞きにいったり、「この学生にはこういった側面もありますし、うちで活躍できる要素があります!」とお願いしにいったこともあります。

——その時の上司はどういった反応をされていましたか?

「そうかそうか、じゃあもう一度検討しなおそう!」という場合もあれば、「うーん、やっぱりダメ」という場合もあり、理由を聞いて納得せざるを得ない部分もありました。

——上司との意見の乖離は採用にどういった影響を及ぼすのでしょうか?

主には、「最終面接で大量の不合格者が出る」「設定した採用人数に不足が出て採用活動が長引く」といった採用に至るまでの選考が非効率化してしまうというところです。

ただし、ここでの問題は「意見が合わない」ことではなく、「採用担当の中で採用基準がしっかりと共有されていない」ところにあると考えています。

その採用基準において核となるのが、採用戦略を立てる際に最初に行う「求める人物像の設定」ですが、それが社内の採用担当者全員で確実に共有できていない、または明確化しているつもりでも各々の担当者が異なる人物像を描いていることがあります。

——採用チームの人数が多いところは、気を付けないと採用基準のバラつきも大きくなりそうですね。

そうですね。特に求める人物像に関しては、設計の際に一義的な表現で言語化できているかということが重要です。

曖昧な表現や抽象的な単語を多用すると、どうしても個々がイメージする人物像がぼんやりとしてしまって、バラけやすくなってしまうので。

あと、社内共有に関しては、「採用担当の一部では共有できているけれども、上層部には伝わっていない」という場合も課題の1つとして挙げられます。

——採用に関わる上層部との連携がうまく行われていないケースはよくあるのでしょうか?

中小規模の会社においては、そもそも採用チームの上層部というものがない、若手社員に任せっきりで採用活動にあまり関わらず、最終選考にも出てこないという社長さんもいます。

一概には言えませんが、人事部長や役員クラスの上層部が、採用計画の話に入ってくれるかどうかで採用戦略は大きく変わってきますし、積極的に採用活動をウォッチして関わってくれた方が成功に結びつきやすいと感じます。

ですので、採用活動に積極的であり、かつ規模の大きい組織ほど、採用チームの編成と社内の協力体制がより重要になってくると思います。

新卒採用人事だった頃の自分へ「学生一人ひとりへのメッセージって大事だよ」

人事ZINE編集部:新卒採用人事を担当していた時のことを振り返ってみてどうですか?「今の自分ならこうする!」という場面はありますか?

そうですね。今思えば・・・辞退されないために、もう少し学生に対してできることはあったかな。と感じる部分はあります。

あと、他社情報をもっと聞いていれば、社内の新卒採用ノウハウを積み上げていくこともできたかもしれないとか。今思えば・・・ですけど。

——これから新卒採用担当になる方にアドバイスをいただけますか?

アドバイスというか、採用人事を担当していたころの自分に向けてなんですが、「学生一人ひとりへのメッセージって大事だよ」と伝えたいです。

社会人としてスタート地点に立つ新卒学生にとっては、最初の企業選びって本当に重要で、慎重になるものだと思います。

その中で、ただ自社の良さを伝えるだけじゃなくて、しっかりとコミュニケーションを取って相互理解を深める。「ここでこういう人たちと働いていくんだ」っていうイメージを描きやすくしてあげる。

そのためにはやはり「個々の学生としっかり向き合うことが大事」だと思っています。

最後に:『人事ZINE』は会社の未来を創る新卒採用担当者さんを応援しています

新卒採用担当者の役割は、大学を卒業してこれから会社の未来を一緒に築き上げていく人材を見つけ出し、採用に導くことです。

新任になったばかりの頃は、実際の採用現場では外から見えない苦労や悩み、時にはもどかしさを感じることもあるかと思います。

しかしながら、そうした経験や「あの時こうするべきだった」という気づきは、自らの採用ノウハウを成熟させ、また採用チームや組織全体の成長にも繋がっていきます。

行き詰まった時、目標を見失いそうになった時、ちょっと落ち込んだ時に、このインタビューを思い出して読んでいただき、それが少しでもお役に立ちましたら幸いです。