採用担当必見!新卒採用は採用マーケティングが鍵。学生に選んでもらう手法とは

「採用マーケティングって最近よく聞くけど実際何をするの?」
「採用マーケティングに関心があるけども何から始めていいかわからない」

求職者との接点が多様化し、なかなか採用に成果が結びつきにくい背景もあり、現在『採用マーケティング』が注目されています。

しかし実際の採用マーケティングとはどのような考え方があり、どのような活用をしていけば良いか実際の採用業務で考えてみると、ピンとこない人事担当の方も中にはいらっしゃると思います。

今回は、新卒採用成功の鍵を握る「採用マーケティング」により、優秀な新卒者等を採用するための考え方や実践する方法についてご説明します。

採用マーケティングで新卒採用を成功させる!

採用マーケティングは、人材採用に消費者向けマーケティングの手法を採り入れ、実行することを指します。

マーケティングはそもそも市場の創造を狙った企業の活動で、もっと平易にいうと、市場競争に勝てるエリア・ポジションを作る活動のこと。「ここなら他社に優位に立ち、商品・サービスが売れる」というところを作らないと、商品・サービスは売れないのです。

このエリア・ポジションづくりの活動を採用の世界に持ち込み、他社に対して競争優位に立とうとする一連の活動を採用マーケティングといいます。

市場でのエリア・ポジションの確保には、市場への働きかけと同時に、商品の改善・サービスの改善をしなければなりません。採用マーケティングも同様で、職場を働きやすく優良な環境にする努力と、外部に働きかける活動を同時並行して行うこととなります。

売り手市場?新卒採用市場の現状を知ろう

新卒採用市場は、今転換期を迎えています。

新卒採用市場は、売り手市場の傾向が強まり、2019年卒の大卒・大学院卒業者(以下、新卒者等)は求人倍率が1.88倍、300人未満の中小企業では9.91倍と、新卒者等が会社を選ぶ時代になっていることが鮮明になっています(リクルートワークス調べ)。

加えて、経団連が新卒者等の現行の就活ルールを廃止することを2018年秋に発表し、政府も見直しを検討しています。2022年卒業の新卒者等については、採用市場のスケジュールが従来通りと発表されていますが、実質的には前倒しになることも考えられ、ますます各社の新卒採用戦略が問われることになっていきます。

スケジュールは前倒しが考えられ、インターンを含めた就職活動の長期化が見込まれます。企業側は2〜3年かけて優秀な学生に接触する機会を持つことが増えてくるでしょう。つまり、学生側から吟味される期間も長期化するため、今後の新卒採用活動においては、今まで以上に企業努力が問われるようになります。

採用マーケティングって何?全体像を理解しよう

採用マーケティングは次の5段階のステップを踏んでゴール(=入社)に向かいます。

1. 認知…「潜在的ターゲット」である学生に認知してもらう。広く潜在的ターゲットの学生に企業をアピールします。

2.興味…ここでのターゲットは就活中の学生です。SNS・オウンドメディア・大規模会社説明会など有効なメディア・イベントを使って徐々に就活生を応募に誘導していきます。

3.応募…就活生の中でも、自社に興味を持ってくれた就活生をターゲットにし、確実に応募に誘導します。キャリアを具体的にイメージできるコンテンツをホームページでアピールする・問い合わせ窓口に誘導するなど「マス」としての就活生対応から、個別対応に移行していくことがポイントになります。

4.選考・内定…選考・内定までの「手続」の時期は、入社の意思を固めてもらうための時期です。選考は公正に・事務的に正確に行う活動ですが、選考とは別にコミュニケーションの機会を設けます。他社に対する優位性をアピールする機会でもあります。

5.入社…ここでのターゲットは内定者です。「内定辞退」がないよう、対策を入念に行います。内定後に「ここに入社しても大丈夫だろうか」と考える内定者も多いため、不安に寄り添える対応が必要です。

上記のステップは、マーケティングの泰斗、コトラーの「5A」理論の、次の消費者行動ステップに相当します。

コトラーの「5A」理論における消費者行動の5つのステップとは?

AWARE(認識する、知る)、APPEARL(記憶や印象に残る)、ASK(調べる)、ACT(購入する)、ADVOCATE(周りにすすめる)

もうお気付きかもしれませんが、売り手市場における就活生は「お客様」と捉えます。これが就活マーケティングの本質を表しているのです。

採用マーケティングを行うメリットとは

採用マーケティングを行うメリットは主に次の点です。

1.マッチ度の高い人材を、比較的に低コストで採用できる

採用マーケティングは、応募までの間に、3ステップでアプローチすべき就活生の絞り込みを行います。

ステップを踏むだけで就活生と企業のマッチ度を高めることができます。

その上、マッチ度を高める活動は、コンテンツであったり、手法であったりと、ナレッジが蓄積しやすく、繰り返し使える特徴があるものです。結果として、比較的に低コストでマッチ度の高い人材を獲得できるのが採用マーケティングのメリットです。

2.長期的に安定して自社に必要な人材を調達できる

採用活動は、毎年繰り返されることから、何度も繰り返し同じ採用マーケティング手法を改良し、メディアを変えて行うといった特徴があります。

それに加えて、中長期的に蓄積した調査結果を活かします。アプローチする潜在層から計画的に絞り込みもできるようになれば、自社が「この人なら」と思うような人材を獲得できるはずです。

その結果、長期的に安定して自社に必要な人材を調達できるようになります。

具体的には何をやればいい?採用マーケティングの手法

採用マーケティングの手法は、「結果からの逆算」が大切。具体的行動を5つのステップに分け、最終的には合わせるよう組み立てます。

ステップは、要件定義、市場調査、ターゲット設定、自社分析(強みの抽出)、各採用マーケティングの順で、欲しい人材に合わせて行動計画を立てるのがベストです。

要件定義

どういった人材が必要で、どういった人材なら活躍できるか、明確にします。さらに現場要望に合わせることも重要です。新卒を育成する余裕があるかなど、社内各部署を理解する必要もあります。

例)人材ヒアリングシートを作って、各部門にヒアリング、どういう人材が必要か定義をし、各部門の共通点と差異を分析、採用人物像を確定する。

(中見出し)市場調査

採用時期・ライバルとなる同業他社の動向調査・学生の総数・外部要因による影響など総合的に分析します。

分析の結果をもとにストーリーを組み立て、ベストプラクティス・競合に勝つ要因・逆に弱点となる要因を分析、採用活動のそれぞれに優位性が持てるかを検証します。

客観性も大事なので、できれば人材紹介会社などのアドバイスも受けることができると、より調査の結果を十全に活用できるようになります。

例)要件定義を元に、人材紹介会社に相談、採用ターゲットになりそうな大学・学部・地域などのアドバイスを求める。またベストケースと、ワーストケースを想定しておく。

ターゲット設定

ターゲットを要件定義からより具体的に設定し、「誰に」「どのメッセージを届けたいか」を検討します。そして、実際に届くのか、ターゲットを設定の上、PRメディアの妥当性を検証することが重要です。

例)マーケティング部門に反響分析を依頼。マーケティング部門は、MAツールなどを使って、Webコンテンツの反響を検証する。想定した属性や、想定した層がコンテンツをどれくらい見てくれているか検証する。

自社分析

自社の強みを分析します。仮に同じ就活生の争奪戦となった場合、競合に勝つ要因は何か、負ける要因は何か、実践的に分析しましょう。業界一位、福利厚生が強み、キャリアパスに特異性があるなど、「違い」そして「違ってしかも強い」と就活生が評価してくれそうなところはどこか、自社を冷静に分析します。

例)ライバル社の求人要項・Webサイトと自社コンテンツの比較を行い、SWOT分析シートなどを用い分析、強みを抽出する。

5A理論でフェーズにあったアピールを

先ほどご紹介した、コトラーの「5A」理論における消費者行動の5つのステップを就活に当てはめた場合、すなわち、就活マーケティングの各ステップで何ができるのか、検討しましょう。

  1. AWARE(認識する、知る)…就活生が、HPなどで会社に出会う
  2. APPEARL(記憶や印象に残る)…就活生が、会社に興味を持つ
  3. ASK(調べる)…応募する
  4. ACT(購入する)…選考・内定を獲得する

ADVOCATE(周りにすすめる)…ご家族にも納得してもらって入社、入社したら周りにも会社への入社をすすめる。

就活生をお客様と考えた場合、入社前の不安にどのように寄り添うか、自社のスタイル・就活生へのフォロー、顧客への経験や、人材紹介会社のアドバイス・就活メディア・他社情報も参考にしながらそれぞれのフェーズに合わせた行動をデザインしてみましょう。

まとめ

採用マーケティングという考え方の紹介・手順・具体的な手法についてご紹介しました。

コスト面・ナレッジの蓄積・繰り返し手法を改良して使える点など、この新卒採用の転換期にも強い戦略的な考え方です。ぜひ、御社でもご活用いただくことをおすすめします。