【例文つき】想いが伝わるスカウトメールの書き方

長年大手ナビサイト掲載が主流だった新卒採用の手法も、近年では多様化してきています。

背景には、アベノミクス以降の売り手市場において求人広告を出して待っているだけでは人材の確保が難しくなってきたことがあります。そうした状況の中でより活用が進んできた手法の1つにスカウトメールがあります。

今回は、スカウトメールが何かというところから、効果が高いスカウトメールの特徴を例文付きでお伝えしていきます。

スカウトメールとは

これまでの大手ナビサイトが、求人広告を掲載してエントリーを「待つ」手法とするなら、スカウトメールはデータベースから自社がターゲットとする学生を抽出し、その層に直接ダイレクトメッセージを送ることで応募を促していく「攻める」採用手法となります。

近年のような売り手市場の中では、待っていても十分な母集団形成ができないという課題感の中で、待っているだけではなく企業側からアプローチができる手法として注目されている手法となります。

スカウトメールをコピぺではなく、求職者に個別化して送ることによるメリット

エントリーした企業の認知時期(出典:キャリタス就活 学生モニター調査結果

このデータは各年度の学生が、ナビサイトからエントリーした企業の認知時期を調査したものです。学生のエントリーの約半数は就活を始める前から知っていた企業に集まっていることがわかります。

このように、学生からのエントリーを待つだけの手法では、学生認知に課題を持つBtoB企業や認知があっても業界イメージと異なる学生を求めている企業にとっては出会うことができない層が存在しました。

そもそも企業や大学は毎年採用活動に関わるものの、学生にとっては初めて社会に触れる機会になるという人も多く、かつ短期間で内定を取らなければならないとなると、どうしても知っている企業に応募が集中しがちです。

スカウトメールは、待っているだけでは自社に気づいてくれなかった学生に自社のことを知ってもらうチャンスとなります。だからこそ学生に気づきを与える内容が大切になります。

何十という企業にエントリーをしてエントリーシートで落とされる経験をしている学生にとって、「自分を見てくれている」と感じるスカウトを受け取ると、全く知らない企業や興味を持っていなかった業界の仕事を知るきっかけになります。

(出典:https://offerbox.jp/company/data/

新卒特化型のスカウトサービスOfferBoxによると、77%が当初の志望業界と異なる業界に就職をしていることが分かりました。

その要因も、スカウトによって学生が当初その業界に対して持っていたイメージが変わっていることの表れと言えそうです。

候補者に刺さるスカウトメールの特徴

スカウトを受け取った学生に気づきを与え、自社に振り向いてもらうにはどんなスカウトメールを送る必要があるのでしょうか。学生に伝えるべき大事なポイントは次の2つです。

自社の魅力の訴求

学生に自社を受けたいと思ってもらうために、自社で働くことに対する魅力を伝える必要があります。

短絡的に考えると「初任給の高さ」や「年間休日」「3年以内離職率」などよく聞く項目を飾ろうとしがちかと思いますが、それだけが企業の魅力というわけではもちろんありません。

組織や人事の課題解決をコンサルティングするリンクアンドモチベーション社は、企業の魅力は大きく次の6つに大別できるとしています。

  1. 目標の魅力:組織の目指しているものを、その目標に共感し共に目指したいと思う
  2. 仕事の魅力:自分が好きでやりたいと思い、やりがいを感じる仕事・活動ができる
  3. 風土の魅力:組織の文化や風土が自分に合っている
  4. 待遇の魅力:納得のいく給与や休日休暇、福利厚生などの権利を受けられる
  5. 上司の魅力:この人の元で働きたいと思う
  6. 職場の魅力:日々業務を一緒に行うメンバーに対し、共に働きたいと思う

面接や説明会などの各段階で効果的に、自社で働くことに対する魅力を伝えられるように工夫しましょう。

個人に対してスカウトをした理由

  • 学生の自己肯定感が上がる
  • 自分とのマッチング、入社して活躍するイメージを持ってもらえる

つい、自社のアピールポイントを伝えることに気が向きすぎておろそかにしがちなのが、特に重要なことが「なぜあなたにスカウトを送ったのか」という理由です。

このメッセージによって学生はスカウトメールを送ってくれた企業に対して、自分がそこで働いているイメージを持つことができるかが決まり、元々興味のなかった業界であっても知ってみようという態度変化を起こします。

また、長らく新卒採用の市場は、学生が大量のエントリーを送り、それに比して大量にお祈りという形で企業から断られ続けるような仕組みになっていました。その結果、何度も否定されることで自己肯定感を下げてしまう学生も多いです。

そうした中で、「他でもないあなただから」と必要とされていると感じられるという点で、学生も自信を持って素の自分で会いに行こうという前向きな気持ちになってもらうこともできます。

スカウトメールの例文

それでは上記の要素を踏まえて、スカウトメールの例文をご紹介します。

例1:営業職種のスカウト

  • 〜〜をやってきたあなただから
  • 自社の〜〜で望む成長ができる とか

まずは新卒の特に文系の採用で募集の多い営業職採用のスカウト事例です。

こちらの企業は、募集職種は営業ですが、日々図面設計など専門性が高い技術的な業務に携わるため、理系人材の採用をしたいと思っている企業の例です。

そのためオファーについては営業ながらも技術的な側面が必要なことや、その業務の中でどんなコミュニケーションが必要とされるか具体的に落とし込んで伝えています。

また、自社を希望してくれるように、その技術がインフラに深く関わっていて日々の生活に欠かせない点や、独立系の◎◎会社の中で上位のシェアで、東日本でNo1を目指しているなど、社会的意義や事業の安定性を訴求しています。

そして会社の雰囲気に合った方に響くように、すこし真面目そうに書いてます。

結果として、オファー変更前と比較して、オファー承認率がアップし、そこから個別面談への接触にも繋がります。

例2:業界イメージにギャップがある候補者へのスカウト

ここでは、企業課題として、企業が求めている人材と学生が抱く企業イメージにギャップがある事例を紹介します。

食品メーカーの企業でありながら、医療分野の専門性を持つ学生に送るオファーの例を紹介します。

企業課題としては、企業が求めている人材と学生が抱く企業イメージにギャップがあり、この例では食品メーカーでありながら化学系の専門性を持つ学生を採用するターゲット設定をしています。

そのためのスカウト文として、まずターゲットとする学生のプロフィールのうち、何が自社の求めているポジションに合うのかを伝えています。まず、食品メーカー志望の多い農学系などだけでなく薬学や化学系の学生が活躍する場があることを提示しています。

その結果、理系のターゲット学生からのオファー承認率も高い水準に至りました。

まとめ

スカウトメールは、これまでの待ちの手法とは真逆で、自社に合うと思える方に企業側からアプローチできる攻めの手法です。

だからこそ、テンプレートな内容ではなく、送る相手個々に寄り添った内容で、「あなただから」と伝えるのが重要となります。

つまり、企業側が自社のアピールポイントを一方的に伝えるものではなく、学生と企業のマッチングを図るためのだという考え方です。

上記の例文でも、まず冒頭で学生のどこに惹かれたのかを提示すると同時に、しっかり学生の記載しているプロフィールを読み込んで向き合っていることを伝えています。そして自社の仕事を紹介する上でも、その中のどういった分野でスカウトを送った学生が活躍できると思っているのかを明確に伝えています。

自社にマッチする学生としっかり出会っていくためにも、ぜひこうした点を念頭に置いてスカウトメールの内容を工夫してみてください。

小野 真

小野 真

2018年10月から株式会社i-plugに入社。学生に向けたOfferBoxのマーケティングに携わった後、企業向けにOfferBoxの価値を伝えるインサイドセールスに従事。学生時代にキャリア支援のNPOに携わった経験から、より個々人が自分らしいキャリアを描き歩めるような社会を実現するため日々奮闘中。