【再考 内定者フォロー】内定辞退を減らす学生目線の考え方を紹介!

内定者フォローをする際、なかなか思うように上手く行かずに苦戦している採用担当者の方も、中にはいらっしゃるのではないでしょうか?

せっかく、採用初期の広報、母集団形成、選考など数々のステップを経て、苦労して内定を出した学生に対して、内定辞退を減らすためにどうすれば良いか悩むことは多々あるかと思います。

今回は、内定辞退を減らすために、改めて内定者フォローの考え方や目的を整理することに加え、元採用担当者の事例などを踏まえて、内定者フォローをより良くするためのアイデアを紹介します。

内定者フォローを整理し直すことで、自社の採用活動のお役に立てると幸いです。

そもそも、なぜ内定者フォローは必要?

内定者フォローとは、一言で言うと『内定者への支援』を意味します。以降、内定者フォローが「なぜ、必要か?」を改めて整理する上で、その目的〜背景などを改めて以下のように整理していきます。

  1. 目的は、辞退者を出さず、全員の入社を実現すること
  2. 背景は、売り手市場の影響もあり企業間での学生獲得競争が生じるため
  3. 売り手市場だからこそ、内定者フォローは必要!

それでは、順に紹介していきます。

目的は、辞退者を出さず、全員の入社を実現すること

内定者フォローの主な目的とは、辞退者を出さず内定者全員の入社を実現することです。

コストも労力もかけて、採用広報〜内定出しに至るまで苦労して長い道筋を辿り、ようやく内定を出した学生をいかに辞退者を出さずに入社してもらうか、採用活動において非常に重要な部分になります。

背景としては、売り手市場の影響もあり企業間での学生獲得競争が。

現在、内定者フォローが必要とされる背景には、学生獲得競争の影響があります。

学生獲得競争の影響がある理由は、採用環境における売り手市場化の影響により、相対的に『学生が企業を選ぶ』傾向が強まったことが考えられます。

ワークス大卒求人倍率調査によると、2020年卒の大卒求人倍率は1.83倍となり、学生優位の採用環境であると言われています。また、新卒採用サポネットによれば、例えば学生の『エントリー数』の過去15年間の推移を確認しても、約61.1社減少しており母集団形成時点でも学生優位により『学生が企業を選ぶ』傾向が強まった見方ができます。

新卒採用サポネット データ集から一部抜粋

売り手市場では学生優位の採用環境であり、なおかつ企業の採用意欲も高い状態なので、一般的に人気とされる学生(高学歴や理系などの希少人材)には多くの内定が集中しやすいです。企業優位の買い手市場の時代と比較すると、学生全体としても内定取得しやすい採用環境とされています。

また、内定辞退率単体で確認しても、19卒を対象とした内定辞退率は67.8%とされており、過半数の内定取得者が内定辞退を経験していることが挙げられます。

以上のことから、内定者フォローが必要とされる背景には、学生優位な採用環境の影響で、企業間での学生の獲得競争が生じ、内定辞退のリスクを避ける必要性が出てきました。

【結論】売り手市場だからこそ、『選ばれる』内定者フォローは必要!

現在の採用環境が学生優位の売り手市場であり、企業優位の買い手市場の時代よりも相対的に『学生が動きにくい上に企業を選ぶ』傾向が強まりました(学生人気で内定倍率が高い大手企業などもあり、一概には言えませんが)。

ですので、学生優位の採用環境で内定辞退のリスクを避けるためには、内定者フォローが重要であり、その内定フォローでは、企業は『学生に選ばれる』という認識が大切です。

以降、学生に選ばれる内定者フォローを実践するために、学生が内定者フォローに何を求めているか紹介します。

内定辞退されないためにも、『学生が何を求めているか』を知る!

内定辞退されないために、『学生が何を求めているか』採用担当者が知っておく必要があります。その有効なアプローチとして、自社の内定者の対して直接面談するなど、双方向にコミュニケーションできる機会を設けて、その都度向き合うことが挙げられます。

しかしその一方で、調査データなどで、学生が一般的に内定者フォローで何を求めているか事前理解しておくのも有効なアプローチでしょう。

以降、調査データから学生が何を求めているか紹介します。

【調査データ】学生は内定者フォローに、何を求めている?

株式会社ディスコの調査データによれば、ほとんどの学生は、『内定を得た企業からフォローが必要である』としています。

その一方で『内定を得た企業への意思決定に必要だと思うフォロー』は、分散傾向が見られ、学生によって就職決定に必要とするフォローは一様ではないことが確認できます。

以下、調査データで把握できる上記2点の詳細を紹介します。

意思決定のためのフォローの必要性

<意思決定のためのフォローの必要性>キャリタス就活 2020 学生モニター調査結果(2019 年 6 月発行)

内定を得た企業に就職するかどうかを決めるために必要だと思うフォローについて学生に尋ねたところ、 「フォローは必要ない」との回答は 11.3%にとどまり、就職先決定のために何かしらのフォローを必要としている学生が80%以上を占める結果になりました。

内定を得た企業への意思決定に必要だと思うフォロー

<内定を得た企業への意思決定に必要だと思うフォロー>キャリタス就活 2020 学生モニター調査結果(2019 年 6 月発)

また、同調査では、『内定を得た企業への意思決定に必要だと思うフォロー』を尋ねたところ、以下のような結果になりました(2020卒参照)。

  • 食事会などの懇親会(55.2%)
  • 現場社員との面談(47.4%)
  • 社内や施設などの見学会(44.0%)
  • 人事担当者との面談(40.3%)
  • 電話やメールでの定期的な連絡(27.9%)
  • 社長・役員との面談(22.5%)
  • 内定者向けサイト(SNS等)(21.3%)
  • 社内報など資料の送付(18.1%)
  • インターンシップやアルバイト(14.6%)
  • E-learningや通信教育などの研修(12.8%)
  • 集合型の研修(11.8%)
  • レクリエーション(旅行・スポーツなど)(7.9%)
  • 家族へのアプローチ(3.0%)
  • その他(0.1%)

以上の調査データから、ほとんどの学生は、『内定を得た企業からフォローが必要である』としており『内定を得た企業への意思決定に必要だと思うフォロー』は、分散傾向が見られ、学生が求める就職決定に必要とするフォローは一様ではないことが考えられます。

【経験談】どうやって学生と向き合う? 元採用担当に聞く、『内定者フォロー』のホンネ

学生が求める内定者フォロー方法が一様でない結果を得て、学生が求めている内定者フォローを行うにはどうすれば良いのでしょうか?

その答えの1つが、『地道に学生と向き合う』ことが挙げられます。以降、元採用担当者の内定者フォローでの『地道に学生と向き合う』体験を生の声で紹介します。

社内の人との繋がりができてほしいし、同期とかも仲良くなれればと

——採用担当として、どのような内定者フォローを行ってきましたか?

元採用担当者:月1回など、頻度を決めて内定者で集まる会をしていました。他にも、交流会など社員と会う機会を作ったり、1対1の面談などもしていました。

内定者フォロー中は、20-25人ぐらいをフォローしていましたね。専任は1人でしたが、他の人にお願いすることもあります。「今度、懇親会来てくださいね。」とか。

フォローする狙いの1つに、社内の人との繋がりができてほしいし、同期とかも仲良くなれればと考えていました。内定者として絆を深めてもらい、内定者に会社のことを知ってもらって入りたいと思ってもらうようなフォローをしていきました。

その一方で、ちょっと言いづらくて語弊が生まれるのかもしれませんが、内定者に「仲良くなったし辞退しにくいなー」と感じてもらえないかな、という狙いも実はありました。笑

学生さんが何を喜んでもらえるのか?学生さんに直接聞いたりします。

——内定者フォローでどんなところが大変でしたか?

元採用担当者:事前の企画の段階で、『学生さんに何をすれば喜んでもらえるのか?どの人をアサインすべきか?どこに予定入れるか?どう連絡とったらいいのか?』を決めるのが大変ですね。

『学生さんに何をすれば喜んでもらえるのか?』に関しては、学生さんに直接聞いたりします。「何やってほしい?何したら嬉しい?」とか聞いてました。

学生さんの声で多かったのが、「社員さんと喋りたい、同期と仲良くなりたい」など。社員や同期と交流したい学生さんには、交流できるフォローを加えたりしました。

でも、逆に集まりたくない学生さん声もある時はあるので、あまり回数増やしたら良くない場合もあります。交流回数増やしてほしい一方で、減らしてほしい声もあり、適度なバランスを保つようにしていました。

1人1人の学生さんと向き合っていく場を作っていく

——具体的にはどんな内定者フォローを行ってきましたか?

元採用担当者:具体的に、まず内定者に会う頻度は、月一回ぐらいは会います。

内定者フォロー期間で、研修などの固定的なイベントは何回実施するか、ある程度決まっているのですが、去年から評判が良くなかったフォロー内容は変えていきます。

研修での例を挙げると、固定的なフォロースケジュールに組み込まれている研修の休憩時間などに、学生さんに話かけて「次の研修、何がいい?何かしたいことある?」って話かけていたりしました。

話かけて教えてもらったニーズを加味しながら、内定者フォロー中に次の研修の内容を決める準備をするんです。

例えば、「もうちょっと営業のことを知りたい!」って意見があれば、営業同行をフォローに組み込んでみたり。とにかく、1人1人の学生さんと向き合っていく場を作っていきました

内定者の「やりたい!」に合わせて内定者フォローを行うのは良いのですが、一方で誰にお願いするか、アサインが特に大変だったりする苦労もあります。

アサインする人が営業の場合、通常職務の売上も達成しないといけないし。内定者フォロー単体で、そこまで時間を取ってもらうわけにはいかない。

でも、内定者の学生さん自身にとって、やっぱり魅力的でイケてる人たちに来てほしいじゃないですか。例えば、学生さんにもよりますが部長などの役職者、ハイパフォーマーな人とか。だから、学生さんにとって有益になるように、アポを頑張って取って社内調整しましたね。

採用担当1人でよりも学生さんに合わせて人をアサインした方がいい場合も必ず出てくる

——自分の中で「これ、内容よかったな。」と思えるようなフォロー内容は何ですか?

元採用担当者:フォロー内容を考える上で、入社までに企業が研修など内定者にフォローする必要があること、学生が内定者フォローでやって欲しいと思うこと、そして現実的に企業が提供できること。内定者フォローは、色々な兼ね合いを考えて企画していく必要があります。

現場を体験した中で、社内調整の負担もあり出来るだけ採用担当者の私1人で完結するフォローの方が、私にとっては都合がよかったりします。
でも学生さんの「やりたい」と、入社後に役に立つことも踏まえて、私1人でやるよりも人をアサインした方がいい場合も必ず出てくるので、そこは兼ね合いです。

私の中で「これ、実施してよかったな。」と思える内容は、これも研修になりますが、『未来を考える研修』は人気がありました。

社会人としての将来像みたいなのを考えてもらう研修なんですけど、業務内容といよりも、自分の自己啓発みたいな研修は、学生さんにとって楽しかったのかなと思います。

どの職種でも実践できるし、自分がどういう人間になりたいか、『夢を描く』みたいな研修は学生さんに人気があったイメージですし、1人1人の理解を深めるきっかけにもなりました。

「この子たちが入ってくれたらいいなーって」後輩みたいなイメージですよね。

——内定者フォローをどのような想いで行っていましたか?

元採用担当者:「この子たちが入ってくれたらいいなーって」「この子たちがみんなウチの会社で活躍してくれたらいいなーって」って想いです。本当に。

後輩みたいなイメージですね。実際そうなりますし。学生さんもそう思ってくれたと思います。例えば、「一緒にTikTokしましょうー!!」って誘われた時もありました。「どうしよ。やり方わからないし。」って困ったことも。笑

内定者の学生さんが入社してみると、すっごく嬉しいですよ。「一緒に働けるんだ」って。3回生の冬(1月ごろ)からずっとフォローして、1年以上向き合ってきているので、ずっと見てきたから思い入れがあって。

あの子がどういう風になっていくのか。子を想う親の気持ちのようなものもあるんでしょうね。

とにかく、可能な限り内定者である学生さんと向かい合い、フォロー(支援)し続けことが大切なのかなと思います。

最後に

採用担当者の方で、内定者フォローに苦戦している方へ向けて、改めて内定者フォローの考え方や目的を整理しつつ、元採用担当者の事例などを紹介しました。

学生優位の売り手市場だからこそ、企業が学生から『選ばれる』内定者フォローは必要であり、そのためには、学生が何を求めているかを知り、地道に学生と向き合う姿勢が重要でした。

今回紹介した内容は、新たに内定者フォローを便利にするツールを導入するなど、特別コストがかかるものではなく、採用担当者の想いや工夫次第で学生と向き合いフォローを行うことができます。

ぜひ、学生と向き合う内定者フォローを実践してみてください!

横山 大将

横山 大将

株式会社i-plug 法人マーケティング部 『人事ZINE』の運営を担当。 フリーランスとしてオウンドメディアの企画運営、webサイト制作のUX設計など約3年間携わり、現在に至る。人事の方々のお役に立てるメディアを作っていきます。