採用ミスマッチの原因と対策方法とは?面接・フォローで防ぐ手法を解説

「採用のミスマッチを防ぐためにはどうしたらいいだろう」
「コロナで直接会えずに起こるミスマッチはどう対策したらいいだろう」
と考えている人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

新入社員の早期退職は、その人材にかけた費用がすべて無駄になるばかりか、改めて採用するにもさらなる時間と経費がかかってしまいます。

緊急事態宣言が緩和され、ウィズコロナの時代に突入してしまった昨今。いつ終わるかわからないコロナ禍の現状で、新しい働き方の導入も視野に入れなければなりません。

このような時代だからこそ、早期退職に直結してしまう採用のミスマッチを防ぎたいのが実情。

そこでこの記事では、なぜ採用のミスマッチが起こるのかといった原因から、ウィズコロナ時代に即した採用のミスマッチ防止策を解説します。

採用のミスマッチが起こる原因

まず、採用のミスマッチはなぜ起こるのでしょうか。原因と具体的な対策について説明していきます。

採用のミスマッチの原因

採用のミスマッチには大きく3つの原因が挙げられます。

  1. 会社側と求職者側の認識に齟齬があること
  2. 学歴と経歴に囚われた採用をしていること
  3. 採用後のアフターフォローが不十分であること

採用のミスマッチは早期退職に直結しますので、その原因を一つずつ解消していくことが重要です。

採用のミスマッチの対策

ここでは、採用のミスマッチの原因に対する対策を紹介します。

会社側と求職者側の認識の齟齬への対策

会社説明会や面接の際には、会社に良い印象を持ってもらうために、ついつい良い点ばかりのアピールをしてしまいがち。しかし、新入社員の採用後において早期退職の一番大きな理由は「イメージと違う」「聞いていた話と違う」ことが挙げられます。

応募者の多くは、インターネットやSNSなどの情報や、会社説明会、面接官の言葉でしか知らないからため、採用側は会社の実情をなるべく多く正直に話し、会社の理念に共感して働く意欲のある社員を募るようにしましょう。

メリットもデメリットも含めて話すことで、より会社にマッチした人材が集まり、入社後の認識の齟齬も少なくなります。

学歴と経歴に囚われた採用をしない

新卒を採用する場合、どうしても学歴や資格、インターンやボランティア経験などの項目に目がいってしまう会社も多いのではないでしょうか。

しかし、高学歴であることや多くのインターンを経験している人が必ずしも自社にとって採用したい人材であるとは限りません。

学歴や経歴より大事なことは、会社側がどのような人材が必要なのかをあらかじめ明確にし、それに沿った人材であるか、会社の理念に心から共感しているのか、を見極めることにあります。

そのため、学歴や経歴はあくまで評価内容の一つと捉えることが重要です。

内定者のアフターフォローを充実させよう

内定後に内定者が抱く不安は、結婚前のマリッジブルーのようなものです。入社して自分の不安が払拭されてしまえば、忘れてしまう些細なことかもしれません。

しかし、その不安が内定承諾後から入社までの間に継続してしまうと内定辞退、もしくは入社後まで継続してしまうと早期退職へとつながってしまうリスクがあります。

そのため、入社までの間は内定者とのコミュニケーションを密にすることが重要です。

頻繁に連絡を取ったり、小さな不安でも話しやすい環境を用意したりして、入社前に内定者が抱えている不安を少しでも和らげましょう。

たとえ不安の原因がわからなくても、一緒に考えて悩んでくれたことが会社への信頼につながります。

採用のミスマッチをなくす具体的対策とは?

次に、採用のミスマッチをなくす具体的な対策を紹介しましょう。

会社の実態を知ってもらうための具体的な方法

会社説明会で会社のデメリットを紹介することは簡単ではありません。人の感じ方には個人差が大きく、人事が気付いていない会社のデメリットもあるからです。

そこで、以下の取り組みによって、会社側と新卒求職者における認識の齟齬をなくせます。

RJP(Realistic Job Preview:現実的な仕事情報の事前開示)

アメリカの産業心理学者ジョン・ワナウス(John P. Wanous)氏が提唱したRJP(Realistic Job Preview)という採用理論があります。

RJPとは「現実的な仕事情報の事前開示」という意味になり、この採用理論を利用した情報開示が、会社の誠意ある情報開示として効果的です。

RJPによる事前開示の具体的な効果について下記の表にまとめました。

RJPの4つの効果意味
セルフスクリーニング効果正確な情報を求職者に与えることで、求職者が求める採用条件かどうかを、求職者自ら判断できる。
ワクチン効果初めから会社のデメリットがわかっていたら、入社後に感じる現実と理想のギャップによるショックが最小限ですむ。
コミットメント効果
会社が労働条件や福利厚生等を誠実にありのままを公開することで、会社に対する信頼が高まる。
また、会社で働く自分の将来が具体的に想像できて、入社後に期待通りの結果が生じて、採用後も会社の社員としての実感を抱くことができる。
役割明確化効果
入社前から与えられる業務が明確になっていれば、入社後の自分の役割が具体化されて、採用者の業務への意欲が高まる。

※参考 RJP|HRpro

次に、RJPの効果による具体的な例を挙げます。

「残業が多いけれども完全週休2日制。有給休暇は入社して即15日で利用できる」と、会社説明会で情報開示しておいたとしましょう(セルフスクリーニング効果)。

初めから残業が多いことがわかっているので、残業を覚悟して入社します(ワクチン効果)。そのため、残業が多くても、その後の休みに希望を託してがんばれます(コミットメント効果)。

また、「入社後3ヶ月は研修期間となり、座学中心の研修がとても多いです。しかし、その後は先輩について実践的な仕事を一つずつ覚え、10月を過ぎた頃には~」と、仕事の平均モデルを紹介しておきましょう。

そうすると、入社後に座学の研修が多くても、3ヶ月後の研修を終え、実践的な仕事に触れながら成長していく自分に期待を持ちながら働けます(役割明確化効果)。そして、それが実現すれば、さらなる成長を期待してがんばれるでしょう(コミットメント効果)。

体験型入社やインターンシップを導入

いくら情報開示をしたところで、実際の社内の雰囲気や社員の働き方を本当に知ることはできません。そこで、体験型入社やインターンシップを導入するとよいでしょう。

学生側は、実際の業務に従事してもらったり、社員と接してもらうことで、会社で働くイメージを持つことができます。

また、会社側としては、どの社員と相性が良いのか、どのような業務と相性が良さそうか、逆に相性の悪い社員や業務、どの程度社内の雰囲気が合ってしているかを確認することができます。

客観的な基準となる適性検査の利用

採用のミスマッチを起こさないために、会社側が求める人物像を事前に明らかにしておくことは必須です。しかし、いくら求める人物像を明確にしていたとしても、エントリーシートや面接だけで見極めることは難しいことです。

そこで、客観的なデータとして活躍するのが適性検査です。

適性検査では、その人の性格や行動力がどれくらいか、コミュニケーション能力やストレス耐性、強みや弱みなどをさまざまな観点で分析することできます。適性検査を用いることで、統計的に求める人物像と一致度が高いタイプであるかを見極めた上で、さらに面接を行うとより効果的でしょう。

求める人物像を明確にし、客観的なデータも参考にしながら選考を進めることで、より適切な人材を採用できるようになるでしょう。

採用のミスマッチを防ぐアフターフォローとは?

内定を得た安心から、就活時には気にならなかった不安が気になることもしばしば。そしてこの不安を入社後も継続して持っていると、「退職」「転職」といった言葉が頭に浮かび始めてしまいます。

ここでは、採用のミスマッチを防ぐための内定後におけるアフターフォローについて紹介します。

ウィズコロナ時代に特化した採用ミスマッチ防止の方法とは?

ウィズコロナ時代では、完全リモートのオンラインでの面談や面接が普及してきています。オフラインでの面接は今後も難しいと判断し、オンラインでも適切に求める人物像を見極める方法に移行するした方が良いでしょう。

そこで、客観的な行動パターンに重点を置いた「コンピテンシー面接」を活用してみるのも一つの手になります。

「コンピテンシー面接」とは社内で活躍する社員の行動・思考パターンを指標として面接時の基準値を設け、より求める人物像にマッチした採用を行うことを目的とした面接手法です。基準値を明確にすることで面談や面接の質を上げることができるため、オンラインでの面談や面接に非常に有効です。

コンピテンシー面接の方法

コンピテンシー面接では、社内で活躍する社員の行動・思考パターンを指標とするため、社内で活躍する社員の共通点を探すこと(モデルの設定)が最も重要になります。その社員がとった行動事例などを詳しくヒアリングすることで指標を作り、「面接担当者による第一印象」ではなく、“応募者の行動特性”で客観的に判断していきます。

コンピテンシー面接における具体的な質問

社内で活躍する社員の共通点であるモデルを設定できたなら、そのモデルの行動パターンや思考に似ている傾向の人材かどうかを確認する質問が有効です。

この面接手法では、応募者の過去の経験に対して質問をしていきます。一つのエピソードへの質問を重ねていき、どのように行動したか、そのときどう考えていたか等を掘り下げていきます。このようにしていくことで、どのように過去に行動してきたのかを客観的に判断することができます。

例えば、学生時代のアルバイトやボランティア経験の話から、困難な場合にどのように立ち向かうかなど、話題を掘り下げていきます。

また、好きなことや頑張ったについて話題を掘り下げていくと、応募者の思考パターン・行動パターンが少しずつ顕在化していき、応募者の人間性が垣間見えることもあります。

まとめ

この記事では採用ミスマッチの原因と対策方法について紹介しました。

採用ミスマッチを防いでいくためには、

  • 会社を客観的に見て情報を正しく伝える
  • 内定者とのコミュニケーションを密にする
  • 採用の方法を求める人物像や時代に合わせて変化させていく

以上が必要です。

この記事を参考に、採用計画や募集の段階から採用後のフォローまで、一貫することで会社・求職者双方に合ったミスマッチの少ない採用活動を目指していきましょう。

人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部