中途社員の教育は?必要性や計画、効果的なやり方を解説!

新卒採用で入社した新入社員教育の内容はイメージしやすいと思いますが、中途社員は、どのような教育をすべきかイメージがしにくいのではないでしょうか?

中途社員は、受け入れ部署で即戦力として扱われることから、教育がなされない、相談相手がいないなどで悩んで孤立する、退職してしまうといったケースもあります。

本記事では、中途社員の課題解決策、教育の必要性、自社で活躍してもらうための教育方法などを解説します。

教育の目的

中途社員の教育の目的として、次のとおり説明します。

自社で活躍できる人材を育てる

周りに相談できずに孤立してしまうといった中途社員が抱える課題にふれましたが、中途社員が自社で活躍できるように育てるためには、これを解決するステップが必要であり、まずは職場に馴染んでもらうことが重要です。

職場に馴染まなければ、活躍してもらうことは期待できず、場合によっては退職となる可能性があるからです。

中途社員が活躍する過程を次のように表しています。

このように、まず職場に馴染んでもらうことを優先し、段階的に活躍する過程を踏んでいけるようサポートすることが必要です。

定着を図る

「第144回 中途入社者の定着について」
Q:「中途入社者の定着向上のため、貴社で行なっている取り組みがあれば教えてください」

中途社員は、前述したように相談できずに孤立してしまい、退職してしまうこともあることをふれましたが、実際には中途社員はどの程度定着しているのでしょうか?

アンケート調査によると、全体の約6割りが定着率70%以上と回答しており、中途社員の定着への寄与度が高い取り組みは「人事・上司との定期的な面談」とのことです。

このように、定着を図るためにも教育が必要です。

教育の必要性

中途社員の教育の必要性や抱える課題がどのようなものか見ていきましょう。

企業理念、業界、業務の理解

中途社員は、一定年齢以上であればビジネススキルは備わっていますが、業界や業態が前職と違う場合はもちろん、同じであっても前職と業務のやり方が違うことが大半です。

また、自社の理念や企業文化も前職と違い戸惑うこともあるほか、業界・社内用語、独自ルールも教えてもらえずにわからないということもあります。

新入社員は、全て知らない前提で教育がなされますが、中途社員は即戦力として扱われるため、受け入れ側が教育の必要性を感じていないことが多いのではないでしょうか?

このように、自社の社員は当たり前に知っていることでも、中途社員には次のようなことを教育する必要があります。

  • 業界知識
  • 自社理念
  • 業界、社内用語
  • 企業文化や社内の暗黙知
  • 顧客に関わる業務であれば顧客情報
  • 社内の独自ルールや業務ルール

とくに、部門に関係なく社内共通の内容は、あらかじめレジュメとしてまとめておき、人事担当より中途社員の入社時にレクチャーしておくと、受け入れ側でも教育の負担が減りますのでお勧めです。

中途社員の抱える課題

即戦力としてのプレッシャー、人間関係に馴染めないなどで、相談も出来ずに孤立してしまう、場合によっては早期に退職してしまうなど、中途社員は会社に馴染むまでさまざまな悩みや課題を抱えています。

新卒と違って同期のような相談相手がいないことが多く、フォローを受けられないことも要因になっていますので、中途社員が早期に活躍できる手助けを人事が行うことが必要です。

教育の進め方

中途社員の教育の進め方を次のとおり説明します。

自社で活躍できる人材を育てるには

自社で活躍できる人材を育てるには、その過程のなかで職場に馴染ませることが重要であることを説明いたしましたが、近年、中途社員の早期戦力化を目的とした「オンボーディング」が注目されています。

オンボーディングとは

「船や飛行機に乗っている」という意味の「on-board」から派生した言葉で、新たに採用した新卒や中途社員が早期に戦力になってもらうため、馴染んでもらう、定着を図るなどの各種施策をいいます。

これにより、中途社員は職場に早期に馴染み、意欲をもって職務にあたることができます。

オンボーディングを意識しなくても実施している内容もあるかと思いますが、ぜひ参考にしてください。

オンボーディング例

 1.職場に適応する段階

  • PCやメールアドレスなど入社の受け入れ準備をしっかりとしておく
  • 歓迎会を開く
  • 相談相手としてメンターをつける
  • 仕事を覚えるための研修を準備している

 2.知識・スキルを学ぶ段階

  • 業界や社内の独自ルール、業務ルールを教育する
  • 製造業であれば工場研修を実施する
  • 即戦力採用であっても必要なOJTを実施する
  • アドバイザーをつける

 3.仕事で成果を出す段階

  • 中長期目標などを立ててコミットする場を与える
  • 他職場メンバーと触れ合える場を与える
  • 定期的な面談を実施する
  • 業務日報を出させるなどフォローをする

 4.組織や他者に影響を与える段階

  • 他部署のキーマンと交流できる場を提供する
  • 役員など上層部と交流できる場を提供する
  • プロジェクトなどにも参画させる
  • 中途社員の強みなどを上司に知ってもらう機会を与える

定着を図るには

中途社員の定着に大きな影響がある取り組みは、「定期で行う人事との面談」が非常に影響が大きく、次いで「定期で行う上司との面談」、「メンター・ブラザー・シスター制度によるフォロー」とのアンケート結果になっていることは前述したとおりです。

なかには、中途社員の採用後はフォローをしていないケースもあるかもしれませんが、中途社員の定着に大きな影響を与えるので、とくに人事からのフォロー面談はぜひ実施してください。

また、中途社員は、業務面でも周りに相談できないこともあるため、定期に行う上司面談は、人事制度による面接のほかの機会も設けて、中途社員をフォローすることが必要です。

上司のほか、身近な相談相手として、メンター・ブラザー・シスター制度によるフォローが望まれますが、改まって制度を創設することでなくても、先輩社員を教育役としてつけるようなことから始めても良いでしょう。

ぜひ、このように中途社員のフォロー体制を整えてください。

研修の計画や内容

オンボーディングの各種施策、定期的な面談、メンター等によるフォローについて、どのように計画して教育を実施するかを次のとおり説明いたします。

入社時

中途社員の入社受入準備をしっかりと行い、受け入れる体制を準備することから始まります。歓迎会やランチ会などを実施し、早期に中途社員が会社メンバーと触れ合える機会を設けてください。

企業文化や社内用語、一連の社内手続きなど各職場共通の事項は、前述したとおりレジュメとしてまとめておき、人事や配属部署の教育担当者が教育することが効率的です。

【入社時に必要な教育の例】

  • 自社理念
  • 社内規程や各職場の役割などの説明
  • 社内組織
  • 業界知識、業界、社内用語
  • 企業文化や社内の暗黙知
  • 社内の独自ルールや業務ルール
  • 経費申請やグループウェア等の使い方、など

入社後1~3ヶ月以内

この段階は、職場に馴染んでもらうとともに、会社の事業内容や業界、業務内容等の知識を身につけてもらうことが重要です。

例えば、メーカーの営業職であれば、一定期間、工場で研修をするなど、自社のものづくりを理解してもらうことが有効です。営業職でなくても、工場見学などで事業理解をしてもらうことも考えられます。

業務内容等については、先輩社員などをメンターにつけることで、OJTを実施するほか、悩んだときの相談相手になってもらうことが有効です。

また、とくに最初の3ヶ月程度は、中途社員にとって会社に馴染むまで悩みやすい期間ですので、上司や人事の定期面談を行ってください。

入社後6ヶ月~1年程度

人によってばらつきがありますが、この時期は、職場にも馴染み、仕事も慣れてくる時期にあります。引き続き定期的な面談を行うほか、中途社員が今後どのように活躍していくか、フォローアップ研修を行うことも考えられます。

フォローアップ研修例として、「中途社員自身の強みや弱みを自己分析」やそれを踏まえた「自社で活躍していくための将来計画立案」などのワークを実施し、上司にフィードバックすることが考えられます。

これにより、上司が気づかなかった中途社員の思いを知ることができるほか、中途社員にとっても、上司に自分を知ってもらう良い機会になるので、取り組みの一例として参考にしてください。

中途社員に的確な教育を行い、自社への定着を図りましょう!

中途社員の教育の目的や進め方、研修の内容などを整理し、中途社員が活躍する各段階の過程で教育やフォローをする重要性をお伝えしました。

近年、中途社員に早期に活躍してもらうためにオンボーディングが注目されていますが、このような取り組みが疎かになっていると、せっかく採用した中途社員が退職を余儀なくされることもありますので注意が必要です。

中途採用は採用して終わりではなく、入社後の教育をしっかり行うことが必要です。

ぜひ、中途社員が職場に馴染めず悩むことのないよう、本記事を参考に計画を立てて教育を実施し、中途社員の定着や早期活躍に取り組みましょう!

人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部