「オンラインインターンシップ」の始め方は?開催の注意点も踏まえて解説します。

昨今、新型コロナウイルスの影響により、従来の選考(オフライン選考)が難しくなってきており、オンライン面接やオンライン説明会など、新卒採用活動のオンライン化が進んでいます。

そして、面接や説明会がオンライン化する流れに応じるように、インターンシップのオンライン化も見られるようになってきました。

しかし、オンラインインターンシップの事例を調べてみても、大手企業や最新テクノロジーを導入している企業が多いため、「自社でやってみたいけど、本当にできるのだろうか…」「そもそもの職業体験の場としての役割や、学生への魅力付けという目的を自社で達成できるのだろうか…」と悩まれている採用担当者の方もいるのではないでしょうか?

そんな疑問を解消するために、今回は新卒採用アドバイザーである小野さんに、オンラインインターンシップの始め方(使用ツールやプログラム)などについてお伺いします。

株式会社i-plug
新卒採用アドバイザー 小野 悠

新卒でテレビ番組の制作会社にADとして入社。その後、株式会社リクルートキャリアで3年半、中途採用アドバイザーとして勤務。中小企業を中心に約300社の採用支援を行うが、ファーストキャリアの重要性を感じ、20184月にi-plugに転職。現在は新卒採用の支援を行う。趣味は深夜ラジオへのネタ投稿。

オンラインインターンシップならではの特徴は「開催・参加のしやすさ」

人事ZINE編集部
ーーまず初めに、オンラインインターンシップと既存のインターンシップにおける違いという観点から、オンラインインターンシップならではの特徴(メリットやデメリット)についてお聞かせください。

小野さん
まず1つ大きなメリットとしては「オンラインであること」が言えると思います。既存のインターンシップでは、希望の会社まで行かないといけなかったため、地方の学生にとって参加のハードルが高くなってしまっていました。

しかし、オンライン化によって、自宅からでも参加できるようになったため、「学生にとっての参加のハードルが低くなったこと」はオンラインインターンシップにおける大きなメリットです。

実際、参加のハードルが下がったことによって、例年よりもインターンシップの参加人数を多くすることができ、500人規模のインターンシップを15回行ったという事例もあります。



人事ZINE編集部
ーーインターンシップの規模感でいうと、やはり小規模でやるのが現実的なのでしょうか。

小野さん
内容による部分なので、一概にどちらがいいというのは言えないのが現状になります。ただ、開催する規模感を見極めるためのポイントとして言えるのが「リソース」です。

当然ながら、インターンシップは開催に向けた準備を行っていく必要があるのですが、規模が大きくなるほど準備に必要な人員は多くなります。小規模のインターンシップであれば、少人数での運用が可能となります。

オンラインであるからこそ「リモートワークの実態」を見せてあげることが大切

人事ZINE編集部
ーー続いて、オンラインインターンシップの内容についてお聞きしていきたいのですが、実施するプログラムはどのようなものが適しているのでしょうか?

小野さん
これまでのインターンシップでは、グループディスカッションやロールプレイング形式、就業型インターンシップなどが主流でした。ですが、オンラインになったからこそ学生が見たいのは「リモートワークの実態」なのではないでしょうか。

実際、現場の方がどのようにリモートワークを行っているのかを見て説明を受けるという内容やオンラインツールを使った営業に同行する内容のオンラインインターンシップを行ったという実施例もあり、学生の知りたいことを実現することで入社意欲を高めることもできます



ーーリモートワークがあまり進んでいない企業はどのようにすべきですか?

小野さん
これは、オンラインインターンシップのデメリットでもあるのですが、リモートワークが進んでいない状態でこのやり方を無理やり導入してしまうと、「情報漏えい」や「当日の進行が上手くいかない」など、リスクが大きくなります。

上記リスクの回避を狙う場合、説明会のようなプログラムになるかと思いますので、グループワーク形式が適していると言えるでしょう。ただ、販売業などで所作のノウハウ共有をしたい場合は、インターンシップでやるのではなくオンライン説明会でも良いかもしれませんね。

インターンシップでは基礎知識的な部分よりも実践的な部分に踏み込んだ経験をすることで、参加者が入社後のビジョンを描きやすくなるはずです。



ーー参加者同士のディスカッションを前提としたプログラムを実施する場合、グループワークが可能なオンライン会議ツールの導入が必要になりますね。

小野さん
そうですね。Zoomの『ブレイクアウトルーム機能』を使えば簡単にグループ分けを行うことが出来ます。これまでの業務の中でZoomを使用したことがあるのであれば、他の会議ツールを導入する必要はあまりないでしょう。

営業同行や実務見学をしてもらうなら、学生へのフィードバックが重要|経験の言語化までを手伝えると尚良い

人事ZINE編集部
ーー営業同行や実務見学というプログラムが実際にあったということですが、今後それが主流になる可能性があるとして、他社の取り組みとの差が出る部分はどういうところにあると思いますか?

小野さん
他社との差が出るという意味では、それぞれ業務の特色があると思いますので、企業によって経験できることの違いは少なからずあると思います。

ただ、学生の満足度や入社意欲を高めるという点においては、学生の持つ考えに対するフィードバックが重要になるでしょう。

例えば、営業同行をしてもらうにしても、「これから〇〇という内容の営業に同行してもらいますが、皆さんならどういう風に交渉しますか?」という問いかけを行い、学生に考えてもらう時間を取ります。そして、同行後にはフィードバックをし、学生自身が営業に同行したことを経験値として得られるようにしてあげるのが理想的と言えます。

インターンシップを通じて学んだことを面接で話したい学生も多いので、経験を言語化するところまで手伝ってあげられると尚良いですね。

オンラインインターンシップの開催にあたって必要なものは「研修資料」と「誓約書」

人事ZINE編集部
ーー「学生の経験」をより良いものにするために、企業側で用意しておくべきものはありますでしょうか?

小野さん
企業が用意するものでいうと、当日の研修資料が最も重要ですね。学生が事前に当日の予定を知ることだけでなく、後日改めてインターンシップの内容を振り返ることができます。繰り返し思い出すことで経験としても定着していくので、研修資料は必ず用意しておきたいところです。

その他、情報漏えいを防止するための「誓約書」は用意しておいたほうが良いでしょう。例えば、画面共有で実務を見てもらうとき、社内の情報が見えてしまう可能性があります。そもそもそういった情報が見えないようにすることが前提のオンラインインターンシップですが、万が一のアクシデントに対する備えがあると安心できます。



ーーインターンシップ参加者に対して独自の選考ルートを用意するということもあるのでしょうか?

小野さん
学生側のメリットや、積極的な採用を考える企業は、インターンシップ参加者限定の選考ルートを用意していることが多いようです。中には、インターンシップに参加したことを証明するために、『賞状』を発行している企業もあります。

もらった賞状を、他の企業の選考で「こんなインターンシップに参加しました」というアピールポイントとして提示する学生もいるので、『賞状』の発行はお互いにとってメリットがあると考えても良いのではないでしょうか。

注意事項や禁止事項は事前に担当者全員で共有しておくのが良い

人事ZINE編集部
ーーオンラインインターンシップを開催する上で、情報漏えい以外の注意点などはありますでしょうか?

小野さん
営業同行や業務見学の場合、担当者一人に対して数名の学生がつくことが多いのですが、担当者が現場を兼任していることがほとんどである以上、イレギュラーによって当日連絡が取れなくなってしまうことが考えられます。ですので、担当者以外の緊急連絡先は参加者に共有しておいたほうが良いです。

参加者がその瞬間になって「どうしたら良いんだろう」と不安になってしまわないような環境づくりを行いましょう。



ーー参加者とのコミュニケーションの面(発言など)で気をつける部分はありますか?

小野さん
最近は、世の中全体がハラスメントなどに対してかなり敏感になっていますので、あえて言うことでもないとは思いますが、コンプライアンスに反する発言は控えるべきですね。

念を入れるのであれば、開催前に担当者全員でオンラインインターンシップでの禁止事項や注意事項などを共有できる場を設けておくのが良いと思います。

各担当者のリアルタイムの動向を見ることは難しいので、確実な連携が取れるような事前準備を行って、オンラインインターンシップ当日を迎えられるようにしましょう。

最後に

今回は、オンラインインターンシップのやり方や注意点、用意しておくべきものに関して、新卒採用アドバイザーの小野さんにお話しいただきました。

採用活動だけでなく、業務全体のオンライン化が進む現在、現場の空気感や自社の魅力をどのように伝えるのかが企業にとって重要な課題となっています。

今回紹介したオンラインインターンシップでの実施プログラムの1つである「営業同行」や「業務見学」は、現場担当者の負担を視野に入れた相互連携が不可欠になってきますので、無理に導入するのではなく、まずはできるところから始めていきましょう!

また、『人事ZINE』では以前、インターンシップの実施内容に関する記事を公開しています。実施内容について悩んでいる、もしくは検討している方は、そちらも是非読んでみてください。

こんなインターンシップ内容がオススメ!新卒採用に繋がるプログラムとは

人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部