ダイレクトリクルーティングの効果を検証|「内定承諾率16%⇒83%」に改善した地方銀行の活用事例

企業が主体となって学生を探し出し、欲しい人材に直接オファーをかける攻めの採用手法「ダイレクトリクルーティング」。

  • 知名度がなく学生に認知されていない
  • 大手の採用競合にネームバリューで負けてしまう
  • 業界イメージや先入観から求める人物像と応募が来る人材にギャップがある

といった、「待っているだけでは欲しい学生と接点が持つことができない」という企業のお悩みを解消する新しい採用手法です。

ダイレクトリクルーティングを有効に活用できている企業は、導入初年度から「採用目標(採用人数)の達成」「内定承諾率の向上」といった数値改善を実現できています。

今回は、ダイレクトリクルーティングの導入・運用においてどんなことが各企業のミッションとなるのか、また実際に活用している企業の成功体験など、ダイレクトリクルーティングの具体的な施策内容やそこから得られる効果を新卒採用アドバイザーの小野さんにお伺いしました。

「業界内の採用競合に勝てない」内定承諾率16%だった地方銀行の採用課題

人事ZINE編集部:
ー本日は「実際のところ、ダイレクトリクルーティングってどんな効果があるの? 」という素朴な疑問にお答えいただきたいです。

小野さん:
実は、ダイレクトリクルーティングを活用して得られる効果はズバリこれです! という回答はできず、どんな効果が得られるかはその企業の採用課題によって様々です。

そして、活用の仕方や取り組み方によって成否や得られる効果の大きさも変わってきます。

なので、「どんな効果が期待できるか?」という質問に真っ向から回答するのであれば「千差万別」なのですが、これは実際の活用事例をもとにお話しさせていただければと思います。

私が新卒採用アドバイザーとして担当させていただいている地方銀行(社名非公開:以下M銀行)なのですが、まず結果から言えば、ダイレクトリクルーティングサービスを取り入れて頂いて、「内定承諾率が16%⇒83%」に改善されました。




ー内定承諾率16%というと、内定を受けた学生のほとんどが内定辞退しているということですよね。同業界の採用競合に流れていってしまっていたということでしょうか?

そうですね。このときのM銀行の採用課題は、「大手金融や他の地方銀行といった同業他社と競合したときに勝てない」ということでした。

中小企業がナビサイトに求人情報を出しても、まず知名度の高い大手企業の影に隠れてしまいます。学生も企業もほぼ同じタイミングで一斉に動き出す新卒採用では尚更のことです。

企業から積極的に働きかけない限り、学生は自分が知っている企業からエントリーしようとしますし、「金融」「銀行」といった感じで業界も絞り込もうとする傾向があります。

学生からすると、「M銀行は一括エントリーした数多くの金融系企業の中の1つ」になっていた可能性が高いんです。

言ってしまえば「とりあえず応募」の対象にされていたわけで、複数の内定企業で業界内比較されたときに脱落していたということです。




ー地方銀行が大手金融のブランド力に勝るのはなかなか一筋縄ではいかないと思いますが、ダイレクトリクルーティングでそこを突破できるものなのでしょうか?

ダイレクトリクルーティングを起点にして、接触した学生に対して他の金融系企業に勝る魅力をアピールすることはできるかと思いますが、直接的に認知度やブランド力を上げられるものではないです。

ただ忘れてはいけないのが、目的は「大手に勝るブランド力をつける」ことではなくて、あくまで「自社が求める人材を採用する」ことですよね。

最初に明確にすべきことは「自社に必要な人材はどういった人材か?」というターゲット設定です。

それからそのターゲットはどこにいるのか、どうやって探せばいいか、どう接触するか、どんなメッセージを送ればいいか、といったターゲットを基軸にした採用活動を進めていきます。

企業が設定したターゲットにアプローチをかける手法の1つがダイレクトリクルーティングというわけです。

ダイレクトリクルーティングなら他の業界を志望している学生にもアプローチできる

人事ZINE編集部:
ー今回の場合、他の手法ではなくダイレクトリクルーティングをM銀行に提案した理由はどういったところにありますか?

小野さん:
まず「M銀行がどういった人材を必要としているのか?」を明確にするために、M銀行の採用担当の方に仕事内容や人材の要望をお聞きしました。

最初は「営業職なので体育会系が欲しい」とのご要望でしたが、仕事内容を詳しくヒアリングすると、コンサルティング要素の強い企画営業(例えば法人向けの資産運用コンサルティング、企画提案型の営業など)であることがわかりました。

また仕事内容に対して求められる人物像を掘り下げていくと

  • 相手の話をしっかり聞き、自分の考えを明確に伝えることができる
  • 人のために動きたいと思える
  • チームワークを大切にし、集団行動ができる

といったコンサルティング職に求められる素養が挙がってきたので、コンサル業界を志望する学生と良いマッチングになるのではないかと思ったのです。




ー自社が属する業界を視野に入れていない学生にもアプローチできるのがダイレクトリクルーティング!

その通りです。「自社が求める人材」「自社での活躍が見込める人材」であれば、現時点で他の業界を志望している学生も候補に入れることができますよね。

今回のM銀行の場合は、他の地方銀行を含む金融業界とバッティングした際に、まだそれらに勝る魅力をアピールしにくい状況にありました。

なので、今回は「金融志望の学生にはオファーを送らないでください」と提案し、完全に金融業界から土俵をズラしました。

自社が属する業界に興味を持ってもらったり、自社に振り向いてもらったりする努力はもちろん必要ですし、”効果”に繋がるかどうかはそこにちゃんと労力を割けるかどうかにかかってきますが、その”効果”を生み出すきっかけ作りとしてダイレクトリクルーティングの特性が活きたのではないかと思います。




ーさらにコンサル業界を志望する学生の中からオファーを送る人材はどのように選定されていたのですか?

ダイレクトリクルーティングサービスには登録学生が任意で受けられる「適性検査」が用意されています。(適性検査の方式はサービスによって異なります)

企業はその適性検査結果でソートをかけて学生を検索することができるのですが、最初のヒアリングで明らかにした「M銀行の仕事内容に求められる人物像」の特性から考えて「適性検査ではこのタイプとこのタイプの学生にマッチすると思うので、この層を重点的にウォッチしてみてください」という提案をしました。




ー結果はいかがでしたでしょうか?

結果は、オファーの承認率が31%、面接をしたのが16人、内定が6人、そして内定承諾が5人です。

内定者6人の適性検査結果のタイプは提案通りドンピシャだったので、私も安心しました。

ダイレクトリクルーティングから得られる予想外の効果「採用ノウハウの蓄積」

人事ZINE編集部:
ー今回お話しいただいた地方銀行M銀行の事例は、アドバイザーである小野さんのサポートがあってこその成功ではないかと思えたのですが、ダイレクトリクルーティングを活用してすぐに効果を得るというのは、通常は難しいものなのでしょうか?

小野さん:
その企業が採用ノウハウをどれだけ持っているかにも寄りますが、採用手法の中でお手軽に効果を得られるものは存在しません。

例えば、求める人物像の設定は採用計画の核となる部分で、それがないと採用活動は始まらないですよね。ダイレクトリクルーティング以外の採用手法を行うにしても、それは絶対に必要です。

「今設定している求める人物像が的確なのか」「自社の魅力で特に強調するべきポイントはどこだろう」という問題には、すぐに答えが出せるわけではありません。

常に試行錯誤して自社の最適な採用方法をブラッシュアップしていく中で、徐々に採用ノウハウとしてその企業に蓄積していくものだと考えています。

ただ1つ言えるのは、ダイレクトリクルーティングは採用ノウハウを溜めやすい手法であると思います。

「自社のここをPRするとこの層の学生からの反響が大きい」とか「志望業界が違う学生でも今の時期なら反応してくれやすい」とか、1つのアクションに対して必ず何らかのフィードバックを得られます。

加えて、ダイレクトリクルーティングは、登録学生のログイン日時をチェックできたり、選考を途中で辞退する学生は辞退理由を入力してから辞退する仕組みがあったり、あらゆることがデータ化されて状況管理できるので自社にノウハウが蓄積しやすいです。

よくダイレクトリクルーティングサービスの比較対象にされる人材紹介サービスとの大きな違いは、この「採用ノウハウの蓄積」の部分だと思います。




ー「今どの採用手法が一番効果的か?」と短絡的に考えるのではなく、採用活動においては「常にノウハウを溜めていこう」という取り組みが大切だということですね。

はい。新卒採用は毎年何かしらの大きな動きがあり変化のスピードも速いので、リスク分散のためにも採用ノウハウを溜めておくことは大切です。

ダイレクトリクルーティングがもともと「待ってるだけでは学生は来ないよ!だから企業から学生を探し出してオファーしよう!」という攻めの採用手法なので、導入を前向きに検討してくれている企業は、採用活動に対して積極的なスタンスをとっている企業が多いです。

ダイレクトリクルーティングは決してお手軽に効果を得られる採用手法ではないですが、自社が求める人材を定めて積極的にアプローチする活動を続けていけば成功に近づきますし、1つ1つのアクションに対する結果のふり返りを行うことで自然と採用ノウハウも蓄積されていきますので、そういった活用方法も含めて是非前向きに検討して頂きたいです!

最後に

新卒採用アドバイザーの小野さんに、ダイレクトリクルーティングの活用によって得られる効果について、実際の活用事例をもとに詳しくお話しいただきました。

「この新しい採用手法からはどんな”効果”が得られますか?」 と聞くと、最初に「採用コスト削減」や「内定承諾率」など数値で表れる指標に目が行きがちです。

しかし、今後ますます人材確保が厳しくなることが予想される中、どんな採用手法を実施するにしても、自社の採用ノウハウを蓄えていくことを常に意識し、長期的な視点で採用力の底上げをしていくことが求められます。

その中でも、自社が意欲的に取り組むことで採用ノウハウを蓄積しやすい採用手法である「ダイレクトリクルーティング」。是非、ご検討されてみてはいかがでしょうか?

人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部