内定辞退率を下げる!新卒学生の内定辞退の理由や対処法は?

会社説明会から書類選考、数度の面接試験と多くの時間と採用コストをかけて、内定を出した学生から内定辞退をされるのは、企業にとって大きな損失であり出来るだけ避けたいものです。

内定辞退が多い場合には、「さらに追加で採用活動を行う」か「中途採用者を増やす」といった採用計画の見直しが必要となることもあります。では、内定を通知した学生からの辞退を防ぐためには、どのような点に気をつけたらよいのでしょうか。

新卒採用活動における内定辞退率とは

人事担当者にとって、内定辞退率は頭を悩ませる事柄の一つ。新卒の採用活動を計画通りに進めるためにも、できるだけ内定辞退率は下げたいものです。まずは「内定辞退率」について、詳しく見ていきましょう。

内定辞退と内定辞退率

採用担当者であれば理解されている方がほとんどだと思いますが、「内定辞退」と「内定辞退率」の定義を改めて確認しておきましょう。

「内定辞退」とはその名の通り、内定を辞退すること。複数企業から内定をもらって「他社への入社を決めた場合」や、選考の過程で「自身の希望とのギャップを感じた場合」に内定を辞退するケースが多いです。

「内定辞退率」は、就職内定を取得した学生の人数に対する「内定を辞退した人数の割合」を指します。

学生が内定辞退をする背景

「リクルートワークス研究所」の発表した「大卒求人倍率調査(2020年卒)」によると、2020年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.83倍となっています。前年の1.88倍より0.05ポイント下落していて、8年ぶりに低下となったものの依然高水準を維持しているといえるでしょう。

このような売り手市場を背景に、優秀な学生には複数の企業から就職の「内定」が出されます。その結果、学生は比較検討したうえで実際に入社する企業を選び、他の企業には内定の辞退を行います。

リクルートキャリアの就職みらい研究所が発表した「就職プロセス調査 (2020年卒)」の【確報版】「2019年9月1日時点 内定状況」では、2019年9月1日時点の就職内定辞退率が60%を超えています。

参考:リクルートワークス研究所「第36回 ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒)」
https://www.works-i.com/research/works-report/item/190424_kyujin.pdf

参考:リクルートキャリアの就職みらい研究所「就職プロセス調査 (2020年卒)【確報版】「2019年9月1日時点 内定状況」
https://data.recruitcareer.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/naitei_20s-20190911.pdf

内定辞退が起こる理由

自社への入社を希望して採用試験を受けていたはずの学生が、なぜ内定の通知を受けてから辞退を申し出てくるのでしょうか?それには、次のような理由が考えられます。

1.他社の方が志望順位が高いため

公益社団法人全国求人情報協会の専門部会である「新卒等若年雇用部会」が調査した「2019年卒学生の就職活動の実態に関する調査」によると、2社以上の企業から内定や内々定を取得した大学生の割合は56.8%です。5社以上から獲得した学生は5.7%もいます。

就職活動を行う学生は、志望する企業から採用されたかった場合を想定して「滑り止め」や「経験を積む」ことを考えます。その結果、本命でない企業、つまり志望度が高くない複数の企業へ応募をするわけです。

学生にとって自社の志望順位が高くなければ、他の企業から内定が出た段階で内定辞退の申し出があります。

2.希望している条件を満たしていないため

学生は、待遇や社風、仕事の内容などさまざまな条件を比較して、多くの企業の中から応募する企業を選びます。弊社が実施した「2021年卒版 就活生の企業の魅力と働き方に関する意識調査アンケート」では、「どのような企業に魅力を感じますか?」という質問に対して、以下のような結果が出ています。

  • 社内の雰囲気が良い:75.6%
  • 成長できる環境がある:50.3%
  • 給与・待遇が良い:48.5%
  • 完全週休二日制:46.7%
  • 将来性がある:42.1%

学生は企業研究を行って「自身が魅力を感じる企業」に応募をしますが、就職活動を進める過程で重視する条件の優先順位が変わることもあります。しかし「社内の雰囲気」を重視する学生が75%以上を占めていることは、人事担当にとって大きな指標となるでしょう。 

参考:【2021年卒版】就活生の「企業の魅力と働き方」 に関する意識調査アンケート

3.企業に対し当初持っていたイメージと合わなかったため

学生の企業に対する理解度は、会社訪問や面接試験などで深まっていきます。その過程で、「企業のイメージ」が変わっていくこともあります。

思い描いていたイメージとのギャップは「入社意欲低下」の原因となり、内定を出しても辞退される可能性が高まります。

新卒採用で内定辞退が起きるタイミング

学生が内定辞退を申し出るタイミングは、いつが考えられるのでしょうか。ここでは内定辞退が起きる「タイミング」について、詳しく見ていきましょう。

志望順位の高い企業から内定を取得した時

自社の志望順位が低い場合には、志望順位の高い企業から「内定を取得したタイミング」で辞退の判断をされます。いわゆる「受験の滑り止め」に似たもので、複数の企業へ応募しながら「優先順位」を設定しているために起こる内定辞退です。 

入社承諾書や誓約書の締め切り日が迫った時

内定通知を行う際には、入社承諾書や誓約書を一緒に送って提出を求めるのが一般的です。これらの書類には「提出期限」を設けますが、自社が応募学生にとって本命の企業でない場合、この期限が迫ったタイミングで内定を辞退するケースがあります。ギリギリまで悩んだり、他社の結果を待ったりすることで、このタイミングとなることがあります。

その他

就職活動に早期化により、内定が出てから入社までの期間が非常に長くなっています。その間に学生が不安を覚え、内定辞退に至るケースもあります。

秋以降も採用活動を続けている企業もあるため、自社への入社に不安を感じた学生は、他社への就職活動を再開する可能性があります。

内定辞退率を下げる!その対処法とは

では、内定辞退を防いで内定辞退率を下げるには、どのような対策を行うべきなのでしょうか。具体的なポイントを三つ挙げながら、解説していきます。

1. 応募学生が何を優先して志望の順位を決めているのか把握する

自社の志望順位が低く、志望順位が高い企業から内定を取得した場合には、内定を辞退されます。

辞退の申し出があったら、その理由を確認してみましょう。他社を選ぶ理由を把握できれば、理由によっては条件を改善できる可能性があるかもしれません。また、採用担当者の説明の仕方や対応によって、自社に対するイメージが変わることもあります。

2. 内定者フォローを行い入社まで不安を抱かないようにする。

採用担当者がこまめにフォローを行うことで、内定者の不安を解消することができます。メールを送るなど、定期的に連絡を取るようにしましょう。また、内定者を集めた懇親会を開催したり、社員との交流会を行うのも良いでしょう。

3. 面接試験では面接官も学生から評価されているという意識を持つ

アンケートの結果からもわかるように、学生は「社内の雰囲気が良い企業」に魅力を感じています。これは言い換えると、「雰囲気の良さが感じられない企業」への入社は避けたいということです。

学生が社内の雰囲気を感じる機会は、そう多くありません。会社訪問や面接試験時の雰囲気が「他社より良くない」と感じさせた場合には、マイナスのイメージを与えてしまい、内定辞退へつながります。特に面接試験は、自社の魅力をアピールするチャンスです。役員を含め面接官全員が意識するようにしましょう。

内定辞退を防止するにはしっかりと内定者をフォロー

今回は、内定辞退を防止する方法について解説しました。新卒の採用には、非常にたくさんのコストと時間が必要です。

最終選考まで進んで採用内定を通知したにもかかわらず辞退されてしまうと、これまで費やした「コストと時間」が無駄になってしまいます。

採用担当者は、採用内定の通知をしたからといって安心することなく、入社するまでしっかりと内定者フォローを行いましょう。